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建通新聞社(東京)
2023/08/28

【東京】都 大島海国際高 校舎棟改築と実習棟新築

 東京都教育庁は大島海洋国際高校の校舎棟の改築と実習棟の新築を検討している。校舎棟は2棟・総延べ床面積4490平方bの既存施設を建て替える方針。早ければ2024年度にも基本計画に着手する。実習棟は延べ床面積約1300平方b程度の規模で海洋生物の増殖実習を行うための施設とする。4カ所の建設候補地を比較・検討してもらう業務を9月に委託。23年度内に成果を得て、新築計画の基本的な方向性を定める。新築に伴う基本設計の着手は25年度以降になる見通し。改築と新築それぞれの計画内容を踏まえて、工事に着手する時期を決めていく。
 大島海洋国際高校の校舎棟は、大島町差木地下原996ノ1に所在。鉄筋コンクリート造3階建ての2棟で構成するうち、A棟は延べ床面積3104平方bで、B棟は延べ床面積1386平方b。同じ敷地内に立地する格技棟(鉄骨鉄筋コンクリート造平屋782平方b)なども改築の対象に入れる可能性がある。
 一方、実習棟の新築については、今回の委託で建設候補地を調査する。候補地は、@大島海洋国際高校寄宿舎敷地(大島町波浮港17、敷地面積約3万4100平方b)A大島海洋国際高校敷地(大島町差木地下原996ノ1、同約4万1888平方b)B大島町差木地1019ノ1の都有地(同約2168平方b)C島内の敷地(住所非公表)―の4カ所。
 同校では学科改編に伴って、海に生息する魚の増殖実習を行う実習棟や設備(栽培漁業実習室)を新たに整備することになった。取り扱う魚の種類は現時点では未定としている。
 今回の業務では、建設候補地の現況や法令などの規制を整理するとともに、施設規模の基礎的な調査を行う。その上で、それぞれの敷地条件に応じた建築計画案を作成し、各案を比較検討する。建物の他に敷地内に設けるいけすなどの設備については別途決めていく。
 施設の延べ床面積約1300平方bのうち諸室の内訳は、▽栽培漁業実習室562平方b▽講義室67・5平方b▽教員控室67・5平方b▽和室67・5平方b▽共有部535・15平方b―を想定している。
 海洋生物の増殖実習の施設として、海水取水・排水管とポンプ設備を取り付ける必要がある。候補地Bでは、既存配管の他に別ルートも検討するとともに、その他の候補地については既存配管がないため、整備の困難性や工費、工期を調査する。海水の引き込みが難しい場合には海水製造施設などの代替案を考える。
 現在、全ての候補地に建物が既存。その中で、候補地の@Aは今後検討する校舎棟の改築工事に伴って、敷地内に別の施設を設ける可能性がある。候補地のBには都の所有でない建物が立地することや、候補地のCについては都の土地ではないことから、整備に伴う課題も整理する。また、島しょ部の土地は国立公園に指定されているため、開発規制などがかかってくる。
 実習棟の新築に伴う入札は「都立大島海洋国際高等学校(5)実習棟新築に係る建設候補地検討調査業務委託」と題して、9月7日に開札する予定。履行期間は24年3月15日まで。提供:建通新聞社