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建通新聞社(東京)
2024/03/22

【東京】首都高 日本橋区間地下化2件の施工者決定

 首都高速道路会社は都心環状線・日本橋区間の地下化事業(千代田区〜中央区)に関わる「シールドトンネル工事」と「高速6号向島線接続地区上部・橋脚・基礎工事」の施工者を決めた。入札参加者から2者を選抜して実施設計の一部を任せ、その完了後に入札で落札者を決める「技術選抜設計承認方式」の試行対象で、2022年7月から一般競争入札(政府調達協定対象)の手続きを進めていた。それぞれ3月の4日と6日に開札し、シールドトンネルの工事は大成建設が692億円(税抜き、以下金額同じ)、向島線接続地区の工事はJFE・MMB・鹿島・東亜JV(構成企業=JFEエンジニアリング、エム・エムブリッジ、鹿島、東亜建設工業)が401億8100万円で応札するなどして落札者となった。いずれも3月19日付で契約を結び、シールドトンネルの工事を34年3月31日までに、向島線接続地区の工事を36年3月31日までに完了させる。
 シールドトンネルの工事は中央区八重洲1丁目〜日本橋小網町が施工場所。入札参加した5者から大成建設と大林・佐藤・錢高JVの2者を選び、両者がそれぞれ1億7800万円、1億1000万円と見積もった価格で実施設計の一部(履行期間23年4月1日〜10月27日)を任せた。落札者の大成建設は残りの実施設計と延長約550bのシールドトンネル2本や延長約110bの開削トンネルの築造、延長約290bの擁壁工、3カ所の護岸工などの施工を担当する。
 予定価格は最終技術提案書の評価が高かった大成建設の技術提案を踏まえて730億8661万6000円に設定。また、2者の技術提案を踏まえて個々に設定する同調査基準価格は大成建設を672億3968万6720円(設定率92%)、大林・佐藤・錢高JVを647億0974万5600円(設定率88・5%)とした。大成建設は入札金額が2番札(落札率94・6%)だったものの、技術評価点が大林・佐藤・錢高JVを上回って評価値1位で落札者となった。
 一方、向島線接続地区の工事は中央区日本橋1丁目〜日本橋小網町が施工場所。JFE・MMB・鹿島・東亜JVが唯一入札参加し、同JVによる4億7100万円の見積金額で実施設計の一部(履行期間23年2月21日〜10月18日)を任せた。同JVが落札者となったことから、残りの実施設計と▽都心環状線の仮受け工▽上野線の受け替え工▽向島線接続部の更新工(更新線上部工延長約460b他)▽江戸橋ジャンクションの受け替え工―も担当する。
 予定価格は402億3573万円、調査基準価格は370億0189万9720円(設定率91・9%)で、JFE・MMB・鹿島・東亜JVの落札率は99・8%だった。
 都心環状線・日本橋区間の地下化事業を巡っては「常盤橋地区トンネル工事」(千代田区大手町2丁目〜中央区八重洲1丁目)でも技術選抜設計承認方式を試行。非開削工法による延長約340bのトンネル築造や、付近の日本橋川を対象とした河床防護や既設橋の架け替え、都心環状線の橋脚・基礎の撤去などについての実施設計と施工が内容だ。3月下旬の入・開札で施工者を決めて4月上旬に契約を結び、39年3月までに完了させる予定でいる。提供:建通新聞社