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建通新聞社(東京)
2025/03/27

【東京】墨田清掃工場、ECIでリニューアル

 東京二十三区清掃一部事務組合は墨田清掃工場のリニューアル工事にECI方式を導入する。優先交渉権者に設計を任せつつ、設計の過程で価格などを交渉して工事の契約を結ぶ「設計交渉・施工タイプ」を採用。これに伴うアドバイザリー業務(税抜き提案限度額8840万円)を委託するため公募型プロポーザルの手続きを始めた。建築設計の単体から4月25日まで参加申請を受け付け、5月30日を期限に業務提案書などの提出を求めて審査を進める。8月29日の結果通知などを経て10月1日から2028年12月15日まで履行してもらう中で、優先交渉権者の選定手続きや価格交渉などを実施して、29年度からの工事につなげる。
 墨田清掃工場の所在地は墨田区東墨田1ノ10ノ23(敷地面積1万8211平方b)。鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄筋コンクリート・鉄骨造地下3階地上6階建て延べ2万4135平方bの工場棟・飛灰搬出設備棟や、外筒鉄筋コンクリート造の煙突(高さ約150b)が立っている。焼却設備は日立造船デ・ロール式の全連続燃焼式火格子焼却炉1炉で1日当たり600dのごみを処理できる。また、余熱利用で1万3000`hの発電や「すみだスポーツ健康センター」への熱供給を行っている。1998年に稼働した。
 プラント設備の耐用年数が25〜30年程度とされる一方で、工場建屋の健全性が高いことから、建て替えに比べコストが抑えられ、工期も短くて済むリニューアル工事で対応する。
 8月ごろにリニューアル事業計画を公表するとともに、ECI専門委員会を設置して10月〜27年2月の選定手続きで優先交渉権者を決定。28年12月を期限に設計を任せながら価格などを交渉して、成立すれば工事の契約を結ぶ。29〜32年度の工事と33年度の再稼働を予定している。
 リニューアル工事では、工場建屋の躯体や煙突の本体といった建築物を生かしながら設備・機器を全て更新。焼却炉やボイラー、排ガス処理設備、煙突の内筒などを撤去・新設する。ボイラー設備や排ガス処理設備などは現在よりも高性能化・大型化すると想定しているため、リニューアル後の処理能力は1日当たり500dに縮小する見込み。建築物は必要な改修を施して継続使用し、プラント設備の次回の更新時期には改めて状況を調べた上で、整備方針を決定する予定だ。
 日産技術コンサルタント(港区)が事業計画策定調査業務を手掛けた。また、PCER(千葉県流山市)が6月30日までの期間で環境影響評価調査計画書の作成業務を担当している。提供:建通新聞社