国土交通省関東地方整備局はJR東日本羽田空港アクセス線の羽田空港内整備で、立坑接続部〜モノレール躯体交差部間の大半を対象とした工事を鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVと随意契約した。設計段階から施工者のノウハウを反映させるECI方式(技術協力・施工タイプ)を採用し、同JVを工事の優先交渉権者に選んで技術協力業務を任せていた。3月25日に税込み118億1398万9000円で契約。軌道や機械室などを収める延長約180bの開削トンネルを造る。2029年3月23日を期限に完了させる。
JR東日本羽田空港アクセス線は東京貨物ターミナル(品川区)〜羽田空港新駅(大田区)間の延長約5`が新線区間。うち羽田空港(大田区)内の地下式約2・4`を直轄事業とし、新駅側の約0・5`を開削工法、他の約1・9`をシールド工法で建設する。
立坑接続部〜モノレール躯体交差部間は、先行してECIを採用した新駅側の駅ホーム部約250b(23年9月に清水建設と一部工事を契約)とシールドトンネル(24年1月に鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVと契約)の間に位置。東京モノレールの地下躯体の直上や、地上を走る首都高速湾岸線の出口ランプ橋とターミナル北連絡橋の直下を貫く形で開削トンネルを築造する。パシフィックコンサルタンツ(千代田区)が詳細設計を担当した。
今回の工事は▽仮設工▽撤去工▽地盤改良工▽土工▽本体工▽復旧工▽基礎杭工▽調査工―が内容。優先交渉権者を選ぶプロポーザルの公示段階(23年6月)で税込み参考額を約101億円と見積もっていたものの、技術協力業務を通じた施工者ノウハウの反映などにより詳細設計を行った結果、134億円増の約235億円に上方修正した。
一方で、技術提案と価格交渉などを経て鹿島JVが提示した見積額は約186億円。それでも24年度予算で確保していた経費を上回っていたため、約118億円分の設計図書に基づき契約を結んだ。税込み予定価格は118億2039万1000円で、鹿島JVの落札率は99・9%だった。見積額の残りの約68億円については今後の予算措置を経て契約変更で対応する。
立坑接続部〜モノレール躯体交差部間はあと40bほどの工事が残っており、今回の区間とは切り分けて施工する方向だ。
提供:建通新聞社