国土交通省官庁営繕部は警察総合庁舎の改築で、新庁舎の建設に先立ち現地の既存庁舎を取り壊す工事を2025年度に発注する。建築の競争参加有資格者による一般競争入札で9月に施工者を決める考え。発注規模が15億円以上30億円未満のWTO政府調達協定対象案件。約22カ月の工期で完了させて、新庁舎建設の前提を整える。新庁舎の工事を27〜34年度の8カ年で進める見通しだ。
警察総合庁舎は千代田区霞が関2ノ1ノ1の内堀通り沿いに立地(敷地面積1万9033平方b)。鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上8階建て延べ2万2505平方bの規模で1972年に完成した。主に警視庁(東京都)と警察庁(国)が使っている。
耐震強度不足や狭隘(きょうあい)・老朽化などを理由に改築する。警視庁は分散している部署を新庁舎へ集約し、隣接する警視庁本部庁舎とより連携させてテロを含めた大規模事件などへの捜査力を強化する方針だ。
国交省が2023年7月の社会資本整備審議会・官公庁施設部会に示した内容によると、新庁舎の計画規模は地下3階地上15階建て延べ床面積約5万7000平方b。松田平田設計(港区)に委託した21〜23年度の設計業務を通じ、新庁舎の建設と外構整備のための基本・実施設計や、既存庁舎の解体に関わる実施設計などを進めていた。
一方、国の25年度予算の概算要求に先立つ営繕計画書によると、新庁舎のうち警察庁部分は鉄骨造地下1階地上13階建て延べ2万2194平方bで、全体計画額が244億0615万円となっている。
25年度に発注する既存庁舎の取り壊し工事は建物の地上部分と構内整備が内容。受注者が建設労働者などを確保しやすくなるよう、発注者指定方式の余裕期間制度を活用することにしている。
提供:建通新聞社