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建通新聞社(東京)
2025/04/03

【東京】湾岸橋修繕 先行工、百億円でIHIのJV

首都高速道路会社は荒川湾岸橋の大規模修繕に伴う先行工事の施工者をIHIインフラシステム・川田建設・ヤマダインフラテクノスJVに決めた。3月14日開札の一般競争入札(WTO政府調達協定対象、高度技術タイプの技術提案価格交渉方式)に100億5200万円で応札するなどした同JVを落札者とし、3月28日付で契約を結んだ。橋長840bに及ぶ同橋のうち、およそ半分に当たる約455bで桁の塗り替え塗装や恒久足場の設置、鋼部材の取り換えなどを行う。2032年12月26日までの8カ年で完了させる。
 荒川湾岸橋は湾岸線の荒川河口部(江東区〜江戸川区)に架かる橋長840b、最大幅員約47bの7径間連続ゲルバートラス橋で、1978年1月に供用。飛来塩分の影響を受けて塗膜が下地から広範囲にわたって剝がれ落ち、鋼材の腐食や部材の破断といった重大な損傷が確認されている。
 このため古い塗装仕様の塗膜を下地から除去して高耐久の塗装に塗り替えたり、断面欠損や破断が生じた一部部材の補修・補強や取り換えを実施したりする。新たに点検通路なども設置して維持管理性を向上させる。新たな更新計画に基づき2035年度までに対策を施す橋梁の一つとなっている。
 今回の先行工事では、橋の江東区側(江東区新木場4丁目地先)を施工場所とした▽トラス桁4万0900平方bの塗り替え塗装▽恒久足場3700平方b、検査路1180bの設置▽鋼部材(下横構ガセットプレート)44カ所の取り換え▽高力ボルト1万5600本、亀裂112カ所の補修―などを、実施設計を含めて行う。
 入札には1社1JVの2者が参加した。IHIインフラシステムJVは入札金額が1番札で、技術評価点は次点だったものの評価値が1位となり落札。事後公表の予定価格は140億2947万4999円で、落札率は71・6%だった。高度技術タイプの技術提案価格交渉方式は技術提案に対して技術と価格の交渉を行う手法のため、調査基準価格を設定していない。
 江戸川区側の後続工事は別途27年度に「その2」として発注する予定。先行工事と同様に高度技術タイプの技術提案価格交渉方式を適用し、WTO政府調達協定対象(発注規模50億円以上)の入札手続きを進めて27年度第4四半期の施工者決定を目指す。約93カ月の工期で完了させる方針だ。提供:建通新聞社