東京都が2024年度に入札で発注した工事4301件のうち、3667件を単体企業とJVの1632者が総額7632億6000万円で落札した。前年度に比べ発注件数と落札件数、落札者数(1件以上落札の単体企業とJV)は減少した反面、不調件数と落札総額は増加している。建通新聞社が都の入札情報サービスに掲載された24年4月1日〜25年3月31日の入札結果データなどを集計した。
格付けを設定している10業種の状況=表参照=を見ると、発注件数と落札件数、落札者数は前年度より減少している業種が多い中、不調件数と落札総額については業種ごとに増加と減少の傾向が分かれた。
発注件数と落札件数がいずれも増加したのは電気のみで、発注件数は増加したものの落札件数が減少しているのは建築と空調。落札者数が増加したのは河川だけだった。
不調件数は5業種で増加。増加数順に▽電気▽空調▽建築▽水道施設▽道路舗装―となっており、建築系が目立つ。落札総額が増加したのは4業種で、増加額順に▽一般土木▽水道施設▽建築▽下水道施設―と土木系が多くを占めた。
落札総額が500億円以上の業種は▽一般土木(425件)=約1373億円▽水道施設(358件)=約1342億円▽建築(275件)=約999億円▽下水道施設(342件)=約774億円▽電気(429件)=約583億円―の5業種となっている。
〜落札額1位は戸田・西松JV〜
また、落札額が高い落札者を見ると、1位から5位までは1者当たりの落札額が1件または複数件で100億円を超えた。
1位は「城北中央公園調節池(二期)工事」(一般土木)を399億9270万円で落札した戸田・西松JV。2位は「稲城多摩トンネル(仮称)(6)トンネル及び擁壁築造工事」(一般土木)を360億9550万7800円で落札した飛島・りんかい日産・朝倉JV、3位は「都立北多摩地区特別支援学校(仮称)(6)新築工事」など3件(建築)を合計204億7430万円で落札した関東建設工業だった。
4位は「中川建設発生土改良プラント再構築その2工事」(建築)を184億1400万円で落札した大成・西武JV、5位は「境浄水場高度浄水施設築造工事(その1)」(水道施設)を126億5000万円で落札した大林・村本・トーヨー冨士工JVが続いた。
提供:建通新聞社