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建通新聞社(東京)
2025/04/25

【東京】外濠水質改善 荒川導水管整備で基本設計

 東京都水道局は外濠の水質改善事業で、荒川の河川水を玉川上水に送る導水管の整備に向けた基本設計を進めている。旧工業用水道の既設管の一部をパイプインパイプ(PIP)で補修するとともに、既設管から玉川上水に至る管路をシールド工法で新設することを想定。中央コンサルタンツ(新宿区)と新発設計(練馬区)に委託した業務2件の成果を2025年内に得て、後続の実施設計に備える。
 外濠のうち市ケ谷濠と新見附濠、牛込濠の三つでは、流入水が少ないため流れが滞留しやすく、アオコが発生している。そこで荒川の河川水と下水の再生水を水源に、毎秒0・5立方b程度の水を流し入れて水質改善を図る。都市整備局による全体調整の下、水道局が荒川の河川水、下水道局が下水の再生水に関する施設整備を行う。30年代半ばの供用開始を目指す。
 水道局は、荒川の河川水を三園浄水場(板橋区三園2ノ10)を経由して、旧工業用水道の管路で玉川上水(杉並区)に毎秒0・35立方b程度を送る施設などの整備を担当する。
 水質改善事業で活用する旧工業用水道の管路は三園浄水場付近から玉川上水に至る口径1200_の区間。三園浄水場付近から途中(中野区)までの上流側はおおむね健全なものの、下流側の一部では補修が必要だ。
 基本設計業務2件の内容を委託先別に見ると、中央コンサルタンツは中野区野方1ノ42〜杉並区永福4ノ10地先間の延長約3・5`でPIPを想定した補修を検討する。また、杉並区永福4ノ10〜和泉2ノ7地先間の延長約1・2`でシールド工法により管路を新設し、玉川上水へ接続できるかどうか考える。履行期限は12月10日。
 一方、新発設計は中野区江古田1ノ1〜新井2ノ30地先間の延長約2`で、PIPによる補修に向けた工法を詰める。履行期限は11月25日。
 さらに、水質改善事業のための導水ポンプ所を三園浄水場の敷地内かその周辺に新設する。24年度に日本工営(千代田区)が手掛けた基本設計業務の成果を踏まえ、25年度は都市整備局と協議しながら建設候補地やポンプ施設のボリュームを固めて実施設計につなげる。提供:建通新聞社