東京都建設局はICT活用工事の実施状況を明らかにした。2024年度の実施件数は集計済みの12月時点で129件と、23年度の105件を上回った。工種別に見ると舗装修繕工が93件で最も多く、23年度の55件から38件増えて実施件数を押し上げた。これに土工の16件(1000立方b未満含む、8件減)や浚渫工の7件(2件減)、法面工の6件(3件増)、舗装工の4件(8件減)、地盤改良の3件(1件増)が続いた。
ICT活用工事は、17年度に土工と舗装工で試行を開始してから対象工種を順次拡大している。24年度の適用工種は▽土工▽土工(1000立方b未満)▽舗装工▽舗装修繕工▽河川浚渫工▽地盤改良工▽法面工▽擁壁工▽基礎工―の9工種。25年度はこれらに小規模土工、橋梁上部工、橋台・橋脚工を追加して12工種となった。
建設局の担当者は、舗装修繕工が最多となった理由について「相対的に発注件数が多いことが影響している」と分析。ICT活用工事との親和性や大幅増の背景などを「今後検証していく」方針だ。また、実績がゼロだった擁壁工と基礎工は「24年度から対象になったため活用がなかった」と見ており、「すぐに対応するのは難しく、他の工種でも対象に加わった年度は実績が上がらない傾向にある。今後は実績が出てくるだろう」と予想している。
―人工削減効果約24%―
ICT活用工事には@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建設機械による施工C3次元出来形管理等の施工管理D3次元データの納品―の五つのプロセスがあり、工事の発注形式や工事特性に応じて選定している。このうち作業効率の向上が見込まれる@〜Cのプロセスで日数の削減状況を調べたところ、従来は平均して155日かかっていた業務が118日に短縮され、24%程度の人工削減効果が確認された。特にICT建機施工と出来形管理に関する効果が大きかった。また、土工では規模が小さい工事でも効果が出ているものがあるとしている。
提供:建通新聞社