東京都教育庁は港特別支援学校(港区)と調布特別支援学校(調布市)の改築に向けて基本計画の検討に着手する。いずれも別敷地へ仮設校舎を設けて既存施設を取り壊し、港特支で延べ床面積約2万平方b、調布特支で同約1万1500平方bの新施設を建設する方針だ。これに伴う業務の委託先を決めるため6月19日に希望制指名競争入札の手続きを始めた。それぞれ都市計画・交通等計画B〜Cの競争入札参加有資格者から6月24日まで希望申請を受け付けて、7月10日に開札する予定。委託期間は2026年3月13日まで。27年度から基本設計を進めるなどして工事につなげる。港特支は34年度、調布特支は33年度の供用開始を目指す。
港特別支援学校は港区港南3ノ9ノ45(敷地面積1万0386平方b)にある高等部知的障害特別支援学校。鉄筋コンクリート造3階建て延べ8142平方bの校舎棟(1983年完成)と、鉄骨造2階建て延べ964平方bの増築棟(94年完成)が立地している。
共同住宅や京浜運河、東京モノレールに囲まれ、工事車両の動線の確保などに制約が大きいことから、これまでに大規模改修や増築棟の利活用なども含めた複数パターンの再整備を検討。ただ、新たに小・中学部を設けることになり、相当規模の施設が必要となったため改築でスケールアップを図る。
新施設の延べ床面積は約2万平方bを想定。学級数を2025年度の30学級から66学級にまで増やす。普通教室66室や実習室10室などを設ける他、プールは水深がより深いものに更新するとともに小プールを新設する。
設計や工事の想定スケジュールは▽1年目=基本設計▽2年目=基本設計、実施設計▽3年目=実施設計、解体工事▽4年目=実施設計、解体工事、土壌汚染工事▽5年目=土壌汚染工事、工事▽6〜7年目=工事▽8年目=工事、供用開始―としている。
現地の用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率400%)で、防火地域に指定されている。
一方、調布特別支援学校は調布市調布ケ丘1ノ1ノ2(敷地面積6464平方b)に立地する小・中学部知的障害特別支援学校。鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ4718平方bの校舎棟(1976、2001年完成)と、鉄筋コンクリート造2階建て延べ608平方bの体育館棟(1976年完成)を建て替える。
新施設の延べ床面積は約1万1500平方bを見込む。学級数を2025年度の41学級から54学級に増やす。改築後の普通教室は54室以上とし、建ぺい率や容積率など各種制限の範囲内でできる限り多く確保する。地下を設ける場合は、地下に児童・生徒や教職員が通常使用する部屋を配置しない。
設計や工事の想定スケジュールは▽1年目=基本設計▽2年目=基本設計、実施設計▽3年目=実施設計、解体工事▽4年目=実施設計、解体工事、改築工事▽5〜6年目=改築工事▽7年目=改築工事、供用開始―を予定する。
現地の用途地域は大部分が第1種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)で、第2種高度地区に指定されている。
提供:建通新聞社