東京都は東急大井町線・戸越公園駅付近の連続立体交差事業で現時点の総事業費を約427億円と見積もった。このうち都などの都市計画事業者が約364億円、鉄道事業者が約64億円を負担する予定。用地測量を進めるとともに国と施工方法などの協議を行っており、協議が調い次第、国へ事業認可申請をする。事業認可から11年間で完了させる見通し。7月14日に開いた事業評価委員会(委員長・中村英夫日本大学教授)に新規事業としての評価を諮った。また、泉岳寺駅地区の再開発や府中市〜国立市間と練馬区内の都市計画道路に関する3事業の再評価を付議。いずれの事業も継続の了承を得た。
東急大井町線・戸越駅付近の連続立体交差事業は戸越公園駅を中心とした品川区豊町2丁目〜戸越6丁目の約0・9`区間で鉄道を高架化するもの。補助第29号線など6カ所の踏切を除却して、交通渋滞の解消や道路と鉄道の安全性の向上などにつなげる。併せて幅員6bの側道を整備する。
2016年3月に鉄道立体交差事業の事業候補区間に位置付け、21年4月の着工準備採択を経て、23年10月に都市計画決定した。都市計画案を都市計画審議会に付議した23年9月時点で25年度の事業認可を予定。また、当時で総事業費を約240億円と見積もっていたが、その後の物価高騰や工法の詳細な検討などを踏まえて約427億円に増額した。
泉岳寺駅地区の再開発は港区高輪2丁目の一部に当たる約1・3fが施行区域。都営浅草線・泉岳寺駅のホーム拡幅に併せて駅施設と一体となった再開発ビルを建設する。都施行の第2種市街地再開発事業で、東急不動産と京浜急行電鉄のコンソーシアムが特定建築者となり事業を進めている。
再開発ビルの規模は地下3階地上30階建て延べ床面積11万2300平方b(高さ145b)。地階に地下鉄駅施設、1〜3階に店舗や子育て支援施設、ロビー、4〜11階に事務所、13階以上に総戸数約380戸の住宅を配置する。19年2月に事業認可を取得した。
事業費744億9200万円のうち19・2%を執行済み。用地取得率は100%。24年11月にビルの建設工事に着手した。32年度の事業完了を目指している。
府中市〜国立市間の都市計画道路は東京八王子線で、府中市西原町2丁目〜国立市1丁目谷保の延長1300b区間に、幅員36〜41bの4車線道路を新設する。11年7月に事業認可を取得した。
物価高騰を踏まえ、事業費を前回評価時(20年度)から9億3800万円増の204億5500万円に見直した。このうち95・1%を執行済み。用地取得率は99・3%。JR南武線との立体交差部の道路を暫定開放しており、今後は街路築造工事を進めていく。26年3月末としていた事業完了時期の延伸に向けて国と調整中だ。
練馬区内の都市計画道路は放射第7号線で、練馬区大泉学園町2丁目〜西大泉5丁目の延長2000b区間に、幅員25bの2車線道路を新設する。06年7月に事業認可を取得した。
事業費は前回評価時(20年度)から4億円増の243億2700万円で94・9%を執行済み。用地取得率は98・3%。西側区間を暫定開放しており、未取得用地の用地折衝を進めている。28年3月の事業完了を見込む。
提供:建通新聞社