厚生労働省東京労働局がまとめた管内の労働災害発生状況(6月末現在速報値)によると、建設業では6月末までに362人が休業4日以上の労働災害で死傷し、うち8人が死亡した。前年同期に比べ死傷者数は24人減っているものの、死亡者数については5人増で2カ月早く前年の水準に達した。東京労働局では死亡災害の急増を踏まえて対応を検討中だ。
6月末までに死傷した362人の業種別内訳は建築工事業が221人(44人減)、その他の建設業が86人(14人増)、土木工事業が55人(6人増)で、その他の建設業と土木工事業が増加。事故の型別では「墜落、転落」の106人(11人減)を筆頭に、「はさまれ、巻き込まれ」の61人(9人増)や「転倒」の49人(1人減)、「飛来、落下」の28人(13人減)などが続いている。
このうち死亡した8人の業種別内訳は建築工事業が4人(3人増)、土木工事業が2人(2人増)、その他の建設業が2人(前年同期と同数)。事故の型別では「墜落、転落」が4人(4人増)、「はさまれ、巻き込まれ」が2人(1人増)、「激突され」が1人(1人増)、「交通事故(道路)」が1人(前年同期と同数)となっている。
その中で6月に死亡を把握したのは建築工事業2人と土木工事業2人の計4人。60歳代(経験30年以上)の建設業従事者が「交通事故(道路)」で4月に、30歳代の貨物自動車運転者(経験1年以上5年未満)が「はさまれ、巻き込まれ」で5月に、20歳代の管理者(経験1年未満)と50歳代の土工(経験30年以上)がそれぞれ「墜落、転落」で6月に命を落とした。
東京労働局管内の建設業の死亡災害は2024年に過去最少の11人にとどまった。ただ、25年に入って増加傾向を見せていたことから、東京労働局は全国安全週間(7月1〜7日)に合わせて建設工事現場の集中指導などを展開。業界に墜落・転落の防止や熱中症予防をはじめとする安全対策の徹底を求めていた。
提供:建通新聞社