国土交通省は7月18日に2025年度上半期の関東ブロック監理課長等会議を開き、管内の都県政令市の入札契約担当課長らと公共工事の円滑な施工の確保などについて意見を交わした。その中で自治体の独自歩掛に関する調査や土木職員不足などの情報を共有。第3次担い手3法に基づく発注体制の強化に向け、公共工事の品質確保と建設業の担い手の中長期的な育成・確保に連携して取り組むことも申し合わせた。
当日の検討議題は▽持続可能な建設業に向けた制度的対応、技能労働者の処遇▽公共工事の円滑な施工確保▽公共発注体制の強化―の3点。
このうち公共工事の円滑な施工確保で国交省は、直轄工事の標準歩掛が小規模工事や地域特有の事情などを反映できないため、一部の都道府県が独自に歩掛を作成していることを説明。ただ、設定に当たっての課題やメリット・デメリットなどが十分に整理・調査されていないことから、設定の有無や作成に当たっての手順と留意事項をアンケートなどで調べる方針を伝えた。25年度内に好事例を集めて普及・展開していく。
また、25年度の市区町村による週休2日実施率の見込みを報告。管内では千葉県と栃木県が70%未満になると回答しているため、市区町村などへの働き掛けを強化するとした。
さらに、民間工事の工期の適正化を巡り、24年度時点で民間発注者に働き掛けている都道府県政令市が全体の約3分の1にとどまっていたことから、通知文書の発出やリーフレットの配布などを通じて民間発注者に改善を促していく。
一方、公共発注体制の強化に関して国交省は、自治体の土木部門の職員数が1996年度の約19万3800人をピークに2023年度には約13万8800人へと約28%減少したとするデータを提示。25年度上半期の監理課長等会議に先立つ都道府県政令市へのアンケートで67団体中57団体が何らかの課題を抱えている他、職員の通年採用や役職定年職員のためのポストの創設、民間コンサル向け積算講習会による技術力向上などに取り組んでいる団体もあることを紹介した。
提供:建通新聞社