半導体製造装置と精密測定機器の製造販売を手掛ける東京精密が八王子市内に新設する工場の計画が明らかになった。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・八王子西インターチェンジ近傍の土地区画整理事業で創出される産業用地の一角に、半導体製造装置を組み立てる延べ床面積約3万5000平方bの工場を建てる。2028年に着工し、工期約23カ月で30年に完成・供用開始する予定だ。
工場の新設は25〜27年度の中期経営計画で累計300億〜400億円を想定する設備投資の一環。半導体需要が増え続ける中、本社を構える八王子市石川町の既設工場では半導体製造装置の生産能力の拡大に限界があるためだ。
建設地は組合施行の川口土地区画整理事業(業務代行者=大和ハウス工業・フジタJV)で創出される産業用地のうち、C区画と呼ばれる八王子市美山町の面積約2万7750平方b。大和ハウス工業が土地の売買契約後3カ月以内に事業用建物の建築請負契約を結ぶことを条件付けて販売していた。
東京都へ提出した環境影響評価調査計画書によると、工場の規模は鉄骨造4階建て延べ約3万5388平方b。1〜3階に半導体製造装置の加工・組み立てエリアと厚生エリアや機械室を、4階に素材や部品の倉庫と食堂を含む厚生エリアを配置して、主に4基のエレベーターを使って各階にアクセスできるようにする。屋上に太陽光発電設備を整備して使用する電力の一部を賄う。
併せて、鉄骨造平屋の▽守衛室(約12平方b)▽危険物倉庫(約12平方b)▽資源倉庫(約54平方b)―とスチール製平屋のボンベ庫(約3平方b、既製品)を設ける。敷地内に144台分の駐車場を確保するとともに、一定面積の緑化を施す。
工期約23カ月の工事工程は▽準備工事=1〜2カ月目▽杭工事=3〜4カ月目▽基礎工事=5〜11カ月目▽建設工事=10〜12カ月目▽内装・外構工事=13〜23カ月目―を予定。杭をオールケーシング工法で構築する他、支持層が浅い箇所をラップル工法で地盤改良して支持力が足りない土をコンクリートに置き換える。親杭横矢板工法で山留めし、最大深さ約5bの掘削を行うなどして基礎を構築する。
大和ハウス工業が環境影響評価調査計画書の作成に当たった。
提供:建通新聞社