厚生労働省東京労働局は2025年度の「年末・年始SafeWork推進強調期間」(12月1日〜26年1月31日)をスタートする。年末・年始の繁忙期を捉え、労働災害防止団体や事業者団体、事業者に労働災害を防止するよう呼び掛けて安全機運の向上を図る。中でも死亡災害が増加傾向にある建設業の労働災害防止対策を強化するため、期間中に建設現場の集中指導を展開する他、局長が建設業労働災害防止協会東京支部(建災防東京支部)の支部長と合同パトロールを行う。前年度と同様に管内の全産業から1万事業場を抽出して労働災害防止対策の自主点検を実施してもらう。
東京労働局管内の今年の建設業労働災害発生状況を見ると、10月末現在で741人が休業4日以上の労働災害で死傷し、うち12人が死亡した。前年同期に比べ死傷者数は14人少ないものの、死亡者数は1人多く過去最少だった前年1年間の11人を超えた。とりわけ「墜落、転落」による死亡者数は6人で、前年同期比5人増と増加が著しい。
東京労働局は「基本的な安全対策の検討がなされていない。現場全体の安全意識や安全管理能力の低下が懸念される」(増田嗣郎局長)との見方を強めている。
このため建設現場の集中指導では、同局が唱える安全衛生管理の4K(決意表明、高所対策、管理活性化、教育強化)をベースに、特に墜落・転落防止対策の状況を重点的にチェックする方針だ。
前年度は強調期間中に562現場を集中指導。このうち353現場(62・8%)で法令違反を確認し、49現場(法令違反確認現場の13・9%)に作業停止命令などの行政処分を科していた。
また、建災防東京支部長との合同パトロールは、12月4日に「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」(中央区)の現場へ赴いて実施。国内最大規模・最高層の木造オフィスビルを建設中で、施工を手掛ける竹中工務店東京本店は▽安全帯の使用状況をAIが判断して注意喚起する管理システムの導入▽3D画像を活用したリスクアセスメント▽VRコンテンツによる教育―といった先進的な対策を講じているという。
管内の1万事業場を対象とした労働災害防止対策の自主点検は、安全衛生を巡る取り組みの現状確認を通じて事業場の自主的な改善を促すのが狙い。自主点検項目は転倒防止対策(全産業共通)やリスクアセスメント(建設業特化)など。既に事業主宛に依頼文書を発送しており、専用サイトを使って12月25日までに回答するよう求めた。
前年度は建設業の87事業場が回答した中で、76事業場が墜落・転落に関するリスクアセスメントを実施していることを把握した。割合は87・4%で、23〜27年度の第14次労働災害防止計画に掲げるアウトプット指標(27年までに事業場の85%以上)を上回っていた。
提供:建通新聞社