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建通新聞社(東京)
2025/12/15

【東京】国立劇場PFI 設計・建設に余裕期間、概算事業費を事前提示

 日本芸術文化振興会は国立劇場のPFI再整備に関わる正式な実施方針を公表し、事業者選定のスケジュールや参加要件などを示した。2026年3月にもPFI法に基づく特定事業に選定して3度目の総合評価一般競争入札(WTO政府調達協定対象)を公告。設計、建設、工事監理、維持管理の各業務を手掛ける企業にグループでの参加を求め、2次にわたる提出資料の審査などを経て27年9月ごろに事業者を選ぶ予定だ。余裕期間を含む設計・建設期間の設定や概算事業費の事前提示といった策も講じて入札を成立させたい考え。
 国立劇場(千代田区隼町)の再整備は既存施設の抜本的な老朽化対策や伝統芸能の伝承・創造機能の強化などを図るために実施する。PFI手法(BTO方式)を導入し、既存施設の解体と新劇場の整備や一定期間の維持管理を民間に手掛けてもらう。
 民間収益施設の合築を必須条件にして22〜23年度に進めた2度の入札手続きが成立しなかったため、3度目の入札手続きに向けて対応を検討。9月に実施方針の概略を公表した中で、民間収益施設の提案を必須条件にせず、物価変動に伴う施設整備費の改定などにも応じることを表明した。香山建築研究所(文京区)とEY新日本有限責任監査法人(千代田区)がアドバイザリー業務を担当している。
 今回公表した正式な実施方針によると、新劇場の計画規模(建築基準法上の面積)は5万3530平方b。このうち4万7930平方bに▽大劇場▽小劇場▽演芸場▽舞台付きレストラン(仮称)▽振興会の事務管理部門―などを置き、残り5600平方bを地下駐車場とする。
 26年3月ごろに入札公告し、9月ごろに受け付ける1次審査資料で競争参加資格を確認。通過者から27年6月ごろに2次審査資料(事業提案書と入札書)を得て、9月ごろの事業者選定と12月ごろの事業契約を目指す。グループ構成企業の業務ごとの主な参加要件は▽設計、工事監理=建設・コンサルティング業務▽建設=建築一式1200点以上、電気1100点以上、管1100点以上▽維持管理=建物管理等各種保守管理A〜C―の有資格者で、過去2度の入札手続きと同じだ。
 余裕期間を含む設計・建設期間は最大8年3カ月とした。実施方針の概略を基に建設企業と個別対話を行い、建設市場の需給ひっ迫や選別受注といった状況を把握したことから、振興会が設計と建設で見込む6年6カ月に余裕期間の1年9カ月を加えた。
 設計・建設期間が最大の場合は施設の引き渡しが35年度末、維持管理期間が36〜55年度の20年間。実際の引き渡しのタイミングや維持管理の始期と終期は、入札手続きの中で事業者に適正な設計・建設の時期と引き渡し日を提案してもらって決める。概算事業費については後日提示することにしている。
 正式な実施方針に対する質問や意見を12月25日まで受け付け、26年2月ごろに回答を公表する予定だ。提供:建通新聞社