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建通新聞社(東京)
2025/12/18

【東京】善福寺川調節池ECI 1173億円の鹿島・大成JVと随契へ

 東京都はECI方式による善福寺川上流調節池の本体工事について、優先交渉権者の鹿島・大成JVから12月15日に提示された1173億円の見積金額を採用して随意契約を結ぶことを決めた。杉並区内の環状8号線などの地下にシールド工法で延長約5・8`のトンネルを造り、善福寺川から約30万立方bの洪水を取り込めるようにして沿川の浸水被害を防ぐ。2026年第1回都議会定例会での議決と正式契約を経て着工し、立坑の築造やトンネルの掘削などを進めて36年2月29日までに完了させる。付帯施設や設備などの工事も行って41年度の事業完了を目指す。
 今回の工事では杉並区成田西3丁目地内の都立善福寺川緑地に発進立坑、同区上荻4丁目地内の区立関根文化公園に到達立坑をそれぞれニューマチックケーソン工法で築造。環状8号線や青梅街道、五日市街道などの地下約40bを泥水式シールドマシンで掘り進めて内径9〜7・5b、延長約5・8`の地下トンネル式調節池を整備する。
 地上の道路幅員に合わせて途中でトンネル内径を変える必要があるため「親子シールド工法」を採用。大口径・大深度で急曲線施工が多いといった条件も踏まえて都で初めてECI方式(技術交渉・施工タイプ)を試行し、23年度に公募型プロポーザル方式で鹿島・大成JVを優先交渉権者に選んで技術協力業務を任せていた。詳細設計はパシフィックコンサルタンツ(千代田区)が手掛けた。
 別途、善福寺川の原寺分橋下流右岸部(杉並区西荻北4丁目地内)にも立坑をニューマチックケーソン工法で築造し、内径4・4b、延長約10bの連絡管を構築して調節池のトンネルとつなぐ。
 各立坑での工事スケジュールは▽発進立坑(善福寺川緑地)=準備工25〜28年度、立坑工27〜30年度、シールド工28〜35年度、設備・管理棟・公園復旧41年度まで▽到達立坑(関根文化公園)=準備工28年度、護岸壊し・桟橋工28〜29年度、立坑工29〜33年度、取水施設工33〜34年度、シールド工34年度、設備・管理棟・公園復旧39年度まで▽連絡管立坑(原寺分橋下流右岸部)=準備工等29〜31年度、立坑工31〜33年度、連絡管工34年度から、その他関連工41年度まで―を予定。全体事業費を約1557億円と見積もっている。提供:建通新聞社