マンション総合改修業者が加入する全国団体のマンション計画修繕施工協会(MKS.A)は、中東情勢の悪化を受けた資材の動向と工期への影響について緊急アンケートを行った。回答があった会社のうち、約半数で資材の入手困難・納期遅延、6割で工期への影響が発生している。高市早苗首相は、さまざまな製品の素材となるナフサ(粗製ガソリン)の調達で懸念を払拭しているものの、すでに建設現場で大きな混乱が生じていることが分かった。
アンケートは4月3〜10日に実施し、正会員172社のうち87社が回答した。
資材価格の高騰により、請負金額の変更が必要とした回答は14社、76物件。このうち6社、50物件は値上げの協議を申し込み、合意に至ったのは2社、6物件だった。
現場作業にも大きな影響が出ており、入手困難や納期遅延が発生しているとの回答は42社(48・3%)、356物件で、51社(58・6%)、594件(未着工を含む)で工期に影響があるとした。
価格が高騰している主な資材は▽防水材=29件▽塗料=25件▽シーリング材=21件▽下地補修=17件▽金物=8件▽設備関連=7件▽タイル関連=4件▽足場=1件―が挙がる。この他、シンナー類、養生材、マスキングテープ、長尺塩ビシート、防滑シートなどが不足しているという。
会員からは資材の状況について「入荷待ちが多く、工期が組めない」「出荷制限の便乗商売は避けてほしい」「公共工事で大量購入されて、民間工事に回ってこない」など、刻一刻と変化する状況に戸惑いの声が聞かれる。
これらの工事で採算を確保するには値上げ交渉が必要だが、総会を開いて管理組合に契約や仕様の変更を認めてもらうのは難しく、請負代金の変更を認める「民間(七会)連合協定マンション修繕工事請負契約約款28条」の発動や、国土交通省からの発信を求める意見があった。
防水・塗料材で値上げ、4月下旬〜5月に集中
アンケートは、同協会賛助会員の資材メーカーにも実施し、16社が主要資材価格の改定状況を回答。ウレタン塗膜防水(6件)、露出アスファルト防水(5件)、水性シリコン樹脂塗料(5件)、微弾性フィラー(4件)、シーリング材(3件)、塩化ビニルシート防水(3件)などが値上げとなり、値上げ幅は13社が20%を超えている。
値上げの適用時期は4月出荷分からが3社、5月出荷分からが8社、未定5社で、開始日は4月21日、5月11日が多い。シンナー類など一部素材では出荷停止も始まっており、業界全体に見通しの立たない不安が広がっている。
提供:建通新聞社