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中央ニュース

2021/12/22

労務・資材 実勢価格適切に反映を

 国土交通省と総務省は12月21日、2021年度補正予算の成立を踏まえ、公共工事の円滑な施工確保を求める通知を全国の地方自治体と業界団体に送付した。通知では国土強靱(きょうじん)化対策の加速化による国民の安全・安心の確保や、「新しい資本主義」による成長と分配の好循環を実現するため、公共事業予算の迅速な執行や入札契約の適正化を図るよう要請。資機材価格の高騰も踏まえ、自治体に対し、労務と資材の最新の実勢価格を適切に予定価格に反映するなど適正な積算を行うよう求めた。
 20日の補正予算の成立を受け、国交省不動産・建設経済局長と総務省自治行政局長の通知を全国の自治体と業界団体にそれぞれ送った。計画的な発注、適正価格での契約、ダンピング対策の強化、債務負担行為の活用、資機材価格の高騰への適切な対応などにより、公共工事を迅速に執行するよう求めている。
 通知では、適正な施工確保に向け、公共工事設計労務単価を踏まえた、技能労働者の適切な賃金水準を確保するとともに、公共投資の安定的・持続的な見通しを示すことが必要と指摘。計画的な発注や中長期的な工事発注見通しの作成・公表に努めることとした。
 さらに、適正価格での契約が必要とし、予定価格の設定に当たって、賃上げや資機材価格の高騰を踏まえ、労務と資材の最新の実勢価格を適切に反映するよう要請。市場の実態や妥当性を確認することなく、見積価格やメーカーの販売希望価格に対して、発注者が独自に乗率を設定するようなことを行わないよう求めた。
 ダンピング対策の強化では、ダンピングが下請け業者へのしわ寄せや技能者の労働条件の悪化を招き、担い手の確保・育成を困難にするとし、対策の重要性を強調した。
 債務負担行為については、特に工期が1年未満の公共工事で、自治体への周知不足から活用が進んでいない現状があるとし、制度の内容を改めて伝えるとともに、柔軟な工期設定を含め積極的な活用を求めた。
 また、21日に国交省は、大臣官房技術調査課長ら関係課長名の通知も地整などに送付。円滑な事業執行のため、補正予算に合わせて新たに創設した「事業加速円滑化国債」の活用を要請した。対象工事は発注見通しや公告文に明示していく。
 同日に開かれた閣僚懇談会で斉藤鉄夫国土交通相は、資機材の価格高騰を含む、市場実態を反映した適正な予定価格設定をはじめ、働き方改革に資する適正な工期設定や施工時期の平準化について、「新型コロナの感染防止対策を万全にしつつ、関係省庁や地方自治体と連携して取り組む必要がある」とし、関係閣僚に協力を求めた。

提供:建通新聞社