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2022/02/04

直轄の総合評価 改善へ議論深める

 国土交通省は、直轄工事の総合評価落札方式について、技術評価での差が開きにくい現状などを踏まえ、改善に向けた具体的な分析が必要と考えている。今後、「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」の部会などで議論を深め、改善策を探る。
 直轄工事の総合評価は、技術提案を求める技術提案評価型(S型、A型)と、企業・技術者の実績や施工計画を求める施工能力評価型(T型、U型)がある。
 このうち、技術提案評価型(S型)では、入札参加者間で技術評価に差がつきにくくなっているという。
 2020年度の実績でみると、技術評価点の得点率は落札者の平均値が94・2%、評価値2位の平均が92・7%、非落札者が90・0%と、点差がつかない傾向が続いている。過去10年でも同様の傾向だ。
 また、施工能力評価型では、技術評価点による逆転が少なく、入札価格と技術評価点の双方でトップの入札参加者が受注する傾向が続いている。
 直轄工事の総合評価は、国交省が適用拡大を掲げた05年度以降に、順調に浸透。20年度には随意契約を除く発注工事の大多数となる97・4%で総合評価により落札者が決まっている。
 一方で、技術評価の差が開きにくかったり、入札価格が調査基準価格付近に集中するなど、価格と技術力の評価で品質を確保するという、総合評価の趣旨にそぐわないような傾向も見られる。
 ただ、直轄工事の工事成績評定点の推移を見ると、総合評価の工事成績は05年度以降上昇傾向にあり、品質の低下は見られないともしている。
 こうした現状などを踏まえ、国交省は、望ましい落札者決定方式として総合評価が機能しているかを、受発注者の負担と効果のバランスといった観点も含め、見極めていく考えだ。

提供:建通新聞社