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中央ニュース

2022/02/21

労務単価 2・5%増で10年連続上昇

 国土交通省は、3月1日から適用する公共工事設計労務単価を発表した。全国全職種平均の単価は前年度比2・5%増の2万1084円(伸び率は単純平均、金額は加重平均)となり、10年連続で上昇。金額は初の2万1000円台に乗り4年連続で最高額を更新した。
 今回は、これまでも加味してきた個人負担に必要な法定福利費相当額や有給休暇取得に要する費用に加え、時間外労働時間を短縮するために必要な費用(生産性向上の取り組みなど)も新たに反映した。
 単価算出手法を大幅に見直した13年度(前年度比15・1%増)から10年連続で上昇。12年度の単価と比べると57・4%増となった。
 労働者数の多い主要12職種については前年度比3・0%増の1万9734円。伸び率は特殊作業員と運転手(特殊)が4・4%増と最も高く、軽作業員の1・2%増が最少だった。
 労務単価は、公共工事の現場に従事する労働者の賃金を全国で調査し、労働市場の実勢価格を反映する形で、47都道府県・51職種別に設定。集計結果を踏まえ毎年改定している。
 1997年度に初めて公表し、その後、公共投資額の減少やダンピングの横行などで2011年度まで下落し続けた。全国全職種平均の単価は1万3047円まで落ち込んだが、12年度に単価算出手法を大幅に見直したのをきっかけに単価が上昇に転じ、現在まで上がり続けている。
 ただ、昨年はコロナ禍の影響もあり、全単価の4割超が減少。マイナスとなった単価を前年度の単価に据え置く特別措置を適用したものの、全国全職種の平均単価の伸び率は1・2%増と13年以降で最低となった。
 今回もコロナ禍の収束が見通せないため、前年に続き特別措置を適用したが、増加率への影響は全国全職種平均を0・2ポイント程度引き上げるにとどまった。特別措置がなくても2%を超える単価上昇を実現したことになり、昨春、国交省と建設業団体が合意した、年間で2%以上の技能者の賃金上昇を目指すとした目標を実質的に達成したとも言える。

提供:建通新聞社