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2023/03/27

休日考慮した工期設定 市区町村は半数未満

 国土交通省・総務省・財務省は、全ての公共工事の発注者を対象とした、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2022年10月1日時点)の結果を発表した。全体的にダンピング対策が進展する一方、自治体で工期設定やスライド条項の運用に課題があることが分かった。工期の設定では、休日を考慮している市区町村が半数にも満たなかった。自治体に対しては、会議の場などを通じて、適正化への要請を強めていくとしている。
 入契法に基づく同調査は、国交省、総務省、財務省の3省が全ての公共工事の発注機関を対象に実施しているもの。今回の調査には、国19機関、特殊法人など121法人、地方自治体1788団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)が回答した。
 ダンピング対策については、低入札価格調査基準価格と最低制限価格の算定式が、22年に改定した最新の中央公契連モデル相当以上の水準となっているかを調べた。改定から半年にも満たない時点での調査だったにもかかわらず、半数以上の市区町村が、最新モデル相当以上の算定式を使用していた。都道府県は全団体が最新モデル相当以上だった。
 工期の設定では、適正化指針に定められている「公共工事に従事する者の休日(週休2日、祝日、年末年始、夏季休暇)」を発注機関が考慮しているかどうかを調査した。考慮していると回答した団体の割合を発注機関別に見ると、国が73・7%、特殊法人等が92・6%、都道府県が97・9%、政令市が100%となる一方、市区町村が48・1%と前年の調査より4・1ポイント増えたものの、5割に届かなかった=グラフ参照。
 国交省の担当者は、「担い手の確保、週休2日の定着へ、適正な工期設定が不可欠。発注者の責務でもあり、考慮していない団体には直ちに是正してもらう必要がある」としている。
 週休2日工事については、都道府県と政令市が全ての団体で「実施している(交替制含む)」と回答した。一方で、国は4割未満、特殊法人等と市区町村では2割未満にとどまった。
 今回の調査では、スライド条項の運用基準の策定状況を初めて聞いた。単品スライドとインフレスライドは、都道府県と政令市ではほぼ全ての団体、特殊法人等では約9割の団体が、国交省の直轄工事と同様の運用基準を策定していた。一方、国では約6割、市区町村では約3割にとどまった。直轄工事では、資材価格の変動額が請負金額の1%を超えるものについて単品スライドなどを適用している。運用基準をあらかじめ策定しておくことで、円滑な価格転嫁につなげる。

提供:建通新聞社