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中央ニュース

2023/08/22

自治体の新技術導入 ハンズオンで後押し

 国土交通省は、地方自治体に対するインフラメンテナンスの新技術導入支援で、専門家(アドバイザー)を派遣するハンズオン支援を新たに始める。支援先となるモデル自治体を9月22日まで募集している。地方整備局ブロックごとに1団体程度を選定し、市区町村の新技術導入と技術者育成を後押しする。
 ハンズオン支援は、技術系職員の不足が障壁となり、新技術導入が進んでいない市区町村を対象に行う。モデル自治体は地方整備局ブロックごとに1団体程度(北海道、沖縄を含む全10団体程度)を選定する。モデル自治体は応募締め切り後、1〜2カ月程度で決定する。アドバイザーはモデル自治体ごとに選ぶこととし、別途、募集をかける。
 主な支援内容は、▽現場に適用する新技術の推薦▽新技術導入の仕様書作成支援▽メンテナンス業務全般の技術的助言▽実地研修を通じた人材育成▽支援終了後の業務実施ツールの構築―など。想定する新技術は、道路、河川・ダム、砂防、海岸、公園を対象とした、点検・補修・修繕を効率化する技術や、点検・維持管理データの利活用に関する技術などとなる。モデル自治体の希望を踏まえ助言する。
 自治体に対するインフラメンテナンスの新技術導入支援に向けて国交省は、これまでに「インフラ維持管理における新技術導入の手引き」を策定しており、引き続き、ハンズオン支援を試行する。24年度以降、支援制度をブラッシュアップしながら、マニュアルなどを整理し、25〜26年度にも標準的な取り組みとして定着させるとしている。
 国交省の調査によると、自治体のインフラ点検・診断業務で、ロボットやセンサーといった新技術を導入している市区町村の割合は全体の約4割にとどまる。さらに、市町村は、技術系職員数が5人以下の団体が約5割に上るなど=グラフ参照=、新技術や維持管理の知識を有する技術者の不足が常態化している。
 インフラ施設は、今後10年間で建設後50年以上経過する施設が加速度的に増える見込みとなる一方で、小規模な市区町村では、人員・予算不足で補修・修繕に着手できていない現状もある。国交省では、新技術の活用によりインフラメンテナンスの高度化・効率化を目指すこととしている。

提供:建通新聞社