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2024/02/02

偽装一人親方問題 防止への道筋案

 国土交通省は、規制逃れを目的とした偽装一人親方問題への対応として、「働き方自己診断チェックリスト」の活用徹底などを柱とする「道筋案」をまとめた。2024〜25年度の実施に向け、今後、建設業界と申し合わせる。国交省では、24年度以降に「適正でない一人親方」の目安を策定することとしており、そのための道筋とする。1月31日に開いた「建設業の一人親方問題に関する検討会」で説明した。
 道筋案では、特に、働き方自己診断チェックリストの活用※と、不適正な一人親方を雇用契約に誘導するための取り組みに力を入れることとした。
 具体的には、一人親方が入場する現場で、チェックリストの活用を元請け・下請け、発注者、関係省庁が一体となって徹底する。
 そのため国交省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)などを活用して、チェックリストをより簡便に確認できる方法を検討する。厚生労働省と連携し、労働者性の判断に関する問い合わせ対応も強化する。
 建設業団体は、必要経費を十分に含めた請負代金で、下請けと一人親方が契約するよう促すとともに、両者間の書面による契約をを徹底させる。
 一人親方が必要経費の含まれた報酬を受け取れるよう、国交省が制度改正と、その実効性の確保策を講じる。
 これらに24〜25年度の2カ年で取り組むこととし、今年度末ごろに業界と申し合わせる。
 会合で日建連の担当者は、CCUSの登録をもって一人親方の働き方を「適正」とみなせるような仕組みを提案。「現場入場の際に適正かどうかを見極めることができ、現場事務の負担軽減になる」と述べた。
 国交省は22年4月に、一人親方対策を強化するため『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』を改定。一人親方の目指すべき姿とともに、一人親方の働き方が適正かどうかを自己診断できるチェックリストの活用をガイドラインに位置付けた。併せて、事業者に、一人親方の働き方の適切性を現場ごとに確認するよう促してきた。
 ただ、改定以降のチェックリストの活用状況を調べたところ、一人親方をよく従事させている建設業許可業者のうち、7割近くがチェックリストを知らなかった。国交省は、元請けから下請けへの指導といった観点を含めて、チェックリストを一層周知・活用するための具体策が必要だとしている。
※チェックリストの活用は、まず一人親方と下請けがチェックリストを使って働き方を確認する。その後下請けが、一人親方との関係を記載した再下請負通知書、請負契約書とともに元請けに提出する。元請けは提出されたチェックリストなどの書類を確認し、契約内容の適正性を確認する。

提供:建通新聞社