国土交通省は、高速道路の暫定2車線区間の正面衝突事故防止対策について、2024年度以降に長大橋(32カ所、総延長約10・2`)とトンネル(6カ所、総延長約1・2`)で試行し、本格展開に備える。2月8日に開いた「高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会」の第7回会合で説明した。
試行箇所は、▽秋田道・秋田外環道・日東道延長計約1・2`(長大橋・トンネル)▽山形道・東中道延長計約0・9`(長大橋・トンネル)▽東富士五湖道路延長計約0・2`(長大橋)▽中部横断道路延長計約1・0`(長大橋)▽東海環状道延長計約1・5`(長大橋・トンネル)▽東海環状道延長計約0・2`(トンネル)▽舞鶴若狭道延長計約0・8`(長大橋)▽紀勢道延長計約0・5`(長大橋)▽第二京阪延長計約1・7`(長大橋)▽高知道延長計約1・6`(長大橋・トンネル)▽山陰道延長計約0・2`(長大橋・トンネル)▽山陽道延長計約0・5`(長大橋)▽東九州道延長計約0・2`(長大橋)▽南九州道延長計約0・1`(トンネル)―などとなっている。
対向車線への飛び出し事故が発生した箇所のある長大橋や、規格規模がC・D等級(200b以上)のトンネルが対象。
将来的には、さらに延長が長く、交通量も多いB等級以上のトンネルへの設置も検討する。
その際は、試行設置箇所における事故発生時の対応や消防・警察との緊急時対応訓練を検証した上で、試行の拡大と開口部の構造などを検討することとした。
長大橋とトンネルを対象とした暫定2車線区間の正面衝突事故防止対策は、22〜23年度に初弾試行を実施。
長大橋11カ所(総延長約2400b)とトンネル2カ所(総延長約440b)にセンターパイプまたはセンターブロックを設置し、走行性と維持管理面での効果を検証した。
走行に問題がなかったため、試行範囲を拡大しながら事故防止と緊急時対応での課題の洗い出し・検証を進めることとした。
高速道路の衝突事故防止に向けては、これまでに、暫定2車線区間にある中小橋と土工部で、ワイヤーロープ設置による対策がおおむね完了した。
長大橋とトンネルは、構造上の特性からワイヤーロープを設置できないケースが多く、丸型鋼管を使ったセンターパイプか鉄筋コンクリート製のセンターブロックでの代用を探っている。
提供:建通新聞社