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2009/11/13

長谷工コミュニティ「住みながら耐震化」のシステムを開発 新耐震を満たさない既存マンションの長期耐用化対策を支援

 長谷工コミュニティ(大高進社長)は、新耐震基準を満たさない既存マンションを対象に、長期耐用化対策を支援するシステムを開発した。マンションがあとどのくらい使用できるか耐用年数を判定し、必要となる対策を方向付ける。長期利用のビジョンが明確になることで、改修に向けた管理組合の合意も形成されやすくなるという。「“住みながら耐震化”を実現する既存マンションの総合的延命化プロセス」として、国土交通省の第2回長期優良住宅先導的モデル事業(既存住宅等の改修部門)に採択された。長谷工グループでは、30年間で約20万戸の大規模改修実績を生かし、新築・既存の両面でマンションの長期耐用化に取り組むとしている。
 同システムは、既存マンションの修繕計画を踏まえた「長期利用計画」と、コストや環境面などに考慮して新たに開発した「長期耐用化対策」を併せて提案するもの。
 まず第1段階として、事業着手に当たり、マンションの現況と長期利用の可能性を総合診断する。その結果に基づき、通常の計画修繕で対応すべき対象と、長期耐用化対策に分けて、2段階で改修工事を実施する。
 長期耐用化対策は@既存のそで壁付近を活用した耐震補強(「住みながら耐震改修」)A鉄筋コンクリートの改修と耐用年数の延長(中性化抑制と鉄筋保護)―の二つを基本メニューにしている。
 「住みながら耐震改修」は、構造上などの目的で外部に突出して設けられた「そで壁付柱」の供用部側に、補強鉄筋と高接着性の特殊ポリマーセメントモルタルを施工。数センチ程度、壁厚が増すだけで補強効果が得られるという。専用部への施工を必要とせず、大掛かりな重機や足場もいらないのが特徴。
 また、「中性化抑制と鉄筋保護」は、亜硝酸系イオンや特殊ポリマーセメントモルタルを塗布するなどして、鉄筋が腐食する原因となるコンクリートの中性化を抑え、耐用年数を延ばす工法。
 これらを大規模修繕工事と連動して施工することで、居住者の安全と費用の両面で、負担を軽減できるとしている。
 同社によると、新耐震基準を満たさないマンションは分譲だけでも約100万戸あるが、従来の耐震改修工事は資金負担が大きく、工事中の住生活への影響も少なくないことから、管理組合の合意形成が難しいのが現状だという。
 問い合わせ先は、サービス事業推進部門サービス企画部 電話03(3457)1247。

提供:建通新聞社