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2010/04/12

高速道路の整備手法を見直し 外環などは会社施行方式を採用 国交省

 国土交通省は、高速道路の整備手法を大幅に見直すことを決めた。2009年4月の「国土開発幹線自動車道建設会議」(国幹会議)で決定した新規整備区間のうち、東京外かく環状道路(関越〜東名)と名古屋環状2号線(名古屋西〜飛島)は、利便増進事業を活用して高速道路会社が整備する「会社施行方式」を採用する。暫定2車線の4車線化区間は、6区間中4区間を会社施行方式で整備し、2区間は凍結を維持。会社施行方式による整備の財源として、計1兆4000億円を充当できるよう利便増進計画を改定する。
 高速道路料金の新たな割引制度などと合わせて、前原誠司国交相が9日の会見でこうした方針を表明した。
 前政権下での高速道路整備は、全国の高速道路建設計画を審議する場として与野党の国会議員などで構成する国幹会議で、整備計画区間や計画変更区間などの議決を経て建設に着手するというプロセスになっていた。09年4月の国幹会議では、計4区間を基本計画区間から整備計画区間に格上げし、計6区間を暫定2車線から4車線化することを決めた。
 しかし、政権交代で就任した前原国交相や馬淵澄夫副大臣が、こうした整備手法などが不透明との認識を示し、国幹会議の廃止を表明。その後、国交省が事業効果や整備手法の再検証を進めてきた。
 その結果、新規整備区間のうち、高い採算性が見込める外環道と名古屋環状2号線は有料道路として会社施行方式、地域利用が多く混雑の恐れが少ない東関東自動車道水戸線は無料道路として直轄施行方式で整備することにした(新規整備区間のうち日本海沿岸東北自動車道は着手済み)。
 また、4車線化区間のうち▽関越自動車道上越線(信濃町〜上越JCT)▽東関東自動車道館山線(木更津南JCT〜富津竹岡)▽東海北陸自動車道(白鳥〜飛騨清見)▽四国横断自動車道(鳴門〜高松市境)―の4区間は会社施行方式で整備を進めていく。
 一方、近畿自動車道紀勢線(御坊〜南紀田辺)と九州横断自動車道長崎大分線(長崎〜長崎多良見)は、09年度の繁忙期に渋滞が発生しなかったことから当面は事業の凍結を続けた上で、交通状況の変化などがあればあらためて対応を検討する。
 利便増進事業は、高速道路料金の割引やスマートインターチェンジ(IC)の整備に充てる費用について、高速道路会社に国費を投入する仕組み。道路財政特別措置法に規定されている。政府は今国会に同法改正案を提出しており、この中に、使途を一定の高速道路の新設・改築や車線の増設に広げることを盛り込んだ。こうした考え方を具体化するための措置として、10年度から17年度までに約1・4兆円を高速道路の整備費に振り向けられるよう利便増進計画を見直す方針だ。

提供:建通新聞社