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2010/11/18

建設業法に基づく技術者制度見直しへ 業種区分の議論も 国交省が技術者制度検討会を設置

 国土交通省は、建設業法に基づく技術者制度の見直しに向けた検討に乗り出す。有識者らで構成する「技術者制度検討会」の初会合を19日に開き、本年5月の事業仕分け第2弾で廃止と判定された監理技術者資格者証の交付や監理技術者講習義務付けの取り扱いをはじめ、技術者制度の在り方を幅広く検討していく。業種区分が論点の一つとなる可能性もある。建設業団体や発注者を対象としたアンケート調査を実施した上で、約半年をかけて議論し成果をまとめる方針だ。
 技術者制度は、建設業許可の種類や工事の規模に応じて、一定の資格を持つ技術者の配置を義務付ける仕組み。公共工事や重要な民間工事に配置する監理技術者は、監理技術者資格証の交付を受けるとともに、監理技術者講習の受講が義務付けられ、発注者から請求があった場合には、資格者証の提示が必要とされている。
 本年5月の事業仕分け第2弾では、監理技術者資格者証の交付事業について、監理技術者制度自体の重要性は認めたものの、資格者証を交付する有効性が認められないとして、「廃止すべき」と判断。監理技術者講習については「座学のみで知識習得の効果は薄い」とし、その義務付けを「廃止すべき」と判定された。
 今回の検討会では、こうした指摘に対応するため、監理技術者資格者証と監理技術者講習の取り扱いを議論する。この中で仮に廃止の方向性が示された場合には、建設業法の改正が必要となる。
 また、建設投資の減少によって受注環境が厳しくなり、少子高齢化で技術継承の困難さが増す状況下で、適切な施工管理を担うことができる技術者をどう確保するかといった観点から、時代の要請に合わせて技術者制度を見直すことも視野に入れている。検討項目の設定は検討会に委ねられるが、建設業許可の業種区分などを含め、幅広いテーマが検討対象になるとみられる。
 国交省では検討会での議論を深めるため、技術者制度にかかわりが深い地方公共団体(都道府県政令市)と建設業99団体にアンケート調査を実施する方針だ。
 検討会の委員は次の通り(敬称略)。
 ▽遠藤和義(工学院大学教授)▽大橋弘(東京大学大学院准教授)▽小澤一雅(東京大学大学院教授)▽高野伸栄(北海道大学公共政策大学院准教授)▽畠中薫里(政策研究大学院大学准教授)▽深尾精一(首都大学東京教授)▽保田眞紀子(弁護士)

提供:建通新聞社