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中央ニュース

2012/09/07

首都圏大規模水害対策大綱を決定

 政府の中央防災会議は6日、利根川・荒川の氾濫や東京湾の高潮浸水を対象とした「首都圏大規模水害対策大綱」を決定した。氾濫の抑制と被害軽減を図るため、将来の気候変動も視野に治水施設や海岸保全施設の整備を進めるほか、既存施設の保全・補修体制を整える。水害を想定した土地利用の誘導も求め、建築規制を活用した対策の必要性も訴えている。
 内閣府の被害想定では、200年に1度の確率で発生する大雨が降り、荒川の東京都北区で堤防が決壊した場合、約110平方`bが浸水し、約120万人に影響が出ると予測。死者は約2000人に上る見通しだ。利根川でも、浸水面積約530平方`b、浸水区域内人口約230万人、死者約2600人の被害を想定している。
 また、東京湾の高潮氾濫では、浸水面積約280平方`、浸水区域人口約140万人、死者約7600人の被害が見込まれている。
 対策大綱では、こうした大規模水害の被害を軽減するためのハード対策などを明記している。国・地方自治体が連続盛土構造物、中小河川、自然堤防など、大規模水害時の氾濫流の制御やリスク分散に利用可能な既存構造物を調査し、これらの施設が氾濫状況に与える影響を把握する必要性を指摘。水害発生時に機能を発揮できるよう、既存施設の保全・補修体制を整備することも合わせて求めた。
 一方で、水害を想定した土地利用・住まい方の見直しも促す。特に、地方自治体には、住宅の建築主に対して浸水危険性と対応方策を指導・助言したり、建築規制を活用したまちづくりを進めるよう提言。浸水危険性の高い地域では、地下室に寝室・居室を配置しないなど、建築方法の工夫や住まい方への理解を促進するよう求めた。

提供:建通新聞社