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2014/10/09

「地域維持型」の適用拡大 国交省

 国土交通省は、2011年度に導入した「地域維持型契約方式」の活用範囲を広げる。これまでは、建設業者が疲弊・減少し、社会資本の維持管理(災害対応、除雪、など)の担い手を確保できない地域などに同方式を適用できるとしてきたが、改正公共工事品質確保促進法(品確法)の理念に基づき、地域維持の担い手を「安定的に確保」する必要がある地域でも、同方式の適用を認めることにする。
 地域維持型契約方式は、建設投資の減少などによって地域建設業が疲弊したことに伴い、災害対応や除雪、社会資本の維持管理などの「地域維持事業」を円滑に実施するためにに導入された。地域の単体企業や経常JVが担ってきた地域維持事業を複数の工種・工区を組み合わせた包括発注や複数年にわたる複数年契約を活用し、地域に精通した建設企業が結成した地域維持型JVなどに担ってもらう仕組みだ。
 地域維持型の適用要件については、入札契約適正化法の入札契約適正化指針で「地域維持事業の担い手の確保が困難となる恐れがある場合」と規定。災害対応や除雪の担い手がいない空白地帯や個別の入札では参加者が集まらずに競争性を確保できない地域などで、地域精通度の高い建設業者で構成する地域維持型JVの受注を想定していた。
 ただ、9月30日に閣議決定された改正入札契約適正化指針では、改正品確法で発注者の責務と位置付けられた「中長期的な担い手の育成・確保への配慮」を踏まえ、同方式の適用要件を「地域維持事業の担い手の安定的な確保を図る必要がある場合」と見直した。これによって、災害対応や除雪の空白地帯であることだけにとらわれず、各自治体に将来的な担い手の育成・確保の観点から同方式の積極的な活用を促す狙いがある。
 また、改正した適正化指針では、地域維持型契約方式の担い手として、これまでの地域維持型JVに加えて「事業協同組合」を例示した。
 国交省によると、これまでに同方式を導入した都道府県は23道府県。このうち栃木県では、県内9ブロックのうち5ブロックの道路・河川の維持管理を各地域の建設業事業協同組合に委託。組合に加入していない企業も組合と下請け契約を結んで事業に参画できるため、空白なく各地域を網羅できるメリットなどがあるという。

提供:建通新聞社