国土交通省は、空き家対策推進特措法に基づく「特定空き家」を市町村が指定し、必要な措置を講じる際のガイドライン案をまとめ、意見募集を開始した。特措法では、市町村に対し、特定空き家の所有者に除却などを指導・勧告したり、行政代執行を行う権限を与えており、特定空き家の指定やこれらの措置を講じる際の判断基準として、ガイドラインを策定する。
空き家対策推進特措法では、市町村が▽倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態▽著しく衛生上有害となる恐れのある状態▽著しく景観を損なう状態▽周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態―にある空き家を「特定空き家」に指定し、所有者に除却、修繕、立木の伐採などの指導・助言・勧告・命令を行うことを認めている。
所有者が命令に従わない場合には、行政代執行による強制執行も可能になるなど、強い公権力を行使することができる。
ガイドラインは、これらの措置を行う際に透明性・適正性が確保されるよう、市町村が特定空き家を指定する際の判断基準や措置を講じる際の手順を示したもの。
例えば、特定空き家の判断基準として、特措法に盛り込まれた「倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態」については▽建築物の著しい傾斜(基礎の不同沈下、柱の傾斜)▽建築物の構造耐力上主要な部分の損傷(基礎の破損・変形、土台の腐朽・破損)▽屋根、外壁などの脱落・飛散の恐れ(屋根の変形、屋根ふき材の剥落)―などを例示している。
また、空き家が放置される一因となっている固定資産税の住宅用地特例については、市町村が特定空き家の所有者に勧告を行った場合、特例の対象から除外されることを明記した。
提供:建通新聞社