国の中央省庁でつくる「コンパクトシティ形成支援チーム」の7回目の会合が14日に開かれ、各省庁の2017年度予算概算要求に盛り込まれた関連予算の情報を共有した。都市再生特措法に基づく立地適正化計画制度の創設から2年が経過し、同制度に基づくコンパクトシティー化が実行段階に移ろうとしている。会合では、福祉・子育てなど都市機能を誘導する支援策を17年度予算で充実させ、各省庁が連携を強化することを確認した。
立地適正化計画制度では、居住機能や都市機能の立地、公共交通のネットワーク化に関する計画を策定し、人口減少と高齢化に対応したコンパクトシティーの形成につなげる。計画を策定した市町村には、税制・財政上の支援措置を講じる。
7月末時点で289市町村が計画作成に着手しており、大阪府箕面市、熊本市、岩手県花巻市、札幌市の4市が計画を策定済みだ。
同制度を軸として、関係省庁はコンパクトシティーの形成を実行段階に移行させる方針で、中央省庁が8月末にまとめた17年度予算の概算要求でも、関連予算を拡充する措置が講じられた。
例えば、国土交通省では、クラウドファンディングなどの小口の投資資金を活用した空き家・空き店舗再生の支援事業を新規で予算要求する。内閣府地方創生推進事務局は、簡易にまちの将来像を予測し、地図上のメッシュデータや3次元データで見える化する「次世代まちづくりツール構築事業」を立ち上げる考え。 厚生労働省は、3歳未満の幼児を受け入れる「サテライト型小規模保育事業所」の設置を支援する。
支援チームは、コンパクトシティー形成に向けた市町村の取り組みの成果を継続的にモニタリングし、評価結果を各省庁で共有することで、支援策の重点化につなげていく方針だ。
提供/建通新聞社