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中央ニュース

2020/08/12

来年4月の経審改正 技術・技能研鑽を加点評価

 国土交通省は、建設産業政策上の課題に合わせ、経営事項審査の審査基準を改正している。改正建設業法の今年10月の施行を見据え、すでに2021年4月の改正事項も出そろった。「社会性等(W)」の評価項目では、技術者のCPD取得や、能力評価基準でレベル2以上にレベルアップした技能者に応じて加点評価。「技術力(Z)」の評価項目では、監理技術者補佐として配置できる1級技士補を加点できるようにする。21年4月に施行される新しい審査基準をまとめた。
 経審の審査基準の改正には中央建設業審議会への報告が必要で、今回の改正も19年9月と今年7月の中建審に報告、了承を得ている。
 社会性等(W)の評価項目では、技術者に対する新たな加点措置を設ける。所属する技術者が審査基準日前の1年間に取得したCPD単位に応じ、最大10点を加点。監理技術者の7割がCPDを全く取得していないという調査結果もあり、経審への加点によって技術研さんに努める技術者にインセンティブを与える。
 同様に技能を研さんする技能者に対する新たな加点評価も設ける。建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した「建設技能者の能力評価制度」で、レベル2以上にレベルアップした所属技能者の割合に応じ、社会性等(W)で最大10点を加点する。
 すでに社会性等(W)で加点を受けられる建設業経理士には、資格取得後5年以内の講習受講を義務付ける。現在、建設業経理士は、資格取得のみで1級で1人当たり1点、2級で0・4点を加点しているが、5年に1度の講習受講を義務付け、継続的に会計知識を身に付けるよう求める。
 10月までに「登録経理講習実施機関」を指定し、21年4月以降にこの実施機関の開く講習の受講を義務付ける。16年度以前の資格取得者に対する経過措置として、23年3月までは講習を受講しなくても要件をクリアしているとみなす。16年度以降に建設業振興基金が開いた登録講習会を受講した経理士も加点条件を満たすことができる。
 技術力(Z)では、技術職員数の評価項目に1級技士補を追加。「主任技術者+1級技士補」の資格があり、改正建設業法によって創設される「監理技術者補佐」として現場に配置できる技術者は1人当たり4点を加点される。

「提出書類も簡素化」

 年内には、経審の提出書類の簡素化も図る。現在は完成工事高の上位5件まで提出する工事請負契約書は、上位3件まで削減。技術職員名簿についても、有効期限がない資格の有資格者については、過去に提出した資料の再提出を求めない。22年度の電子申請のスタート時には、国税・社会保険・法人登記の証明書類の添付も不要にする。

提供:建通新聞社