トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2021/04/07

無電柱化新たに4000` 次期計画案

国土交通省は、2021〜25年度の5年間を計画期間とする次期無電柱化推進計画案をまとめた。緊急輸送道路と特定道路の無電柱化着手率、観光地などの無電柱化着手地区数について計画目標を設定。目標達成には新たに約4000`の無電柱化が必要になるとした。4月6日に開いた有識者会議に示した。パブリックコメントを経て5月にも策定する。
 計画目標は、防災面で、電柱倒壊リスクがある市街地などの緊急輸送道路の無電柱化着手率を25年度末までに52%に引き上げる(表参照)。さらに50年代までに100%の無電柱化達成を目指すとした。安全で円滑な交通確保に向けては、特定道路での無電柱化着手率を38%に引き上げる。
 景観・観光面では、世界文化遺産周辺で46地区、重要伝統的建造物保存地区で67地区、歴史まちづくり法重点地区で58地区とする目標(無電柱化着手地区数)を設定。いずれも20年度末実績を10地区ほど積み上げた形だ。
 次期計画案では、高い目標を掲げた前計画を継承するとともに、重点化を図って必要な無電柱化を推進する。一方、やみくもに実施延長という数字を求めるのではなく、必要性の高い区間から重点的に無電柱化していく。
 具体的には、改正道路法で創設した「歩行者利便増進道路」や「電力・通信のレジリエンス強化の観点で必要な区間」を新たに優先的に無電柱化を推進する対象道路とする。
 低コスト手法の「浅層埋設方式」「小型ボックス活用埋設方式」「角型多条電線管(FEP管)」などの採用は、直轄国道でも約3割にとどまっており、次期計画の計画期間内に設計要領・仕様書・積算基準に反映して地方自治体に普及させる。25年度までに平均2割のコストを縮減する目標を定めた。
 包括発注方式、PPP活用方式、一括施工方式などの推進により、平均7年の事業期間を平均4年まで短縮させる。
 16年12月に成立した無電柱化法では、国交省が電気事業者や電気通信事業者の意見を聴取して無電柱化推進計画を定めるとしている。現行計画は18〜20年度の3年を計画期間として初めてまとめられ、計画期間内に国・地方合わせて1400`の無電柱化工事に着手するとしていた。
 次期計画案によると、目標の達成には「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策」で着手する約2400`を含め新たに約4000`の無電柱化に着手することが必要だとする。現行計画を大きく上回る目標の実現に向けて、一層のコスト縮減と事業効率の向上が求められることになりそうだ。

提供:建通新聞社