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2021/04/30

建設投資見通し 底打つも1・7%減

 建設経済研究所と経済調査会は、2021年度の建設投資(名目値)が前年度比1・7%減の62兆1000億円になる見通しをまとめた。2年続けてのマイナス見通しとなるが、新型コロナウイルス感染症などによる影響は政府建設投資、民間建設投資とも21年度に底を打つと見ており、20年度見通し(3・4%マイナス)よりマイナス幅は半分に縮小している。
 21年度の建設投資は、今年1月の推計では前年度比2・4%減の61兆8000億円としていたが、全体として徐々に回復の動きが見られる民間投資などを踏まえ、4月推計で3000億円ほど上方修正した形だ。
 政府建設投資の推計は、2・6%減の24兆9900億円。20年度第3次補正予算の編成などにより微減にとどまると予測。21年度当初予算、東日本大震災復興特別会計、地方単独事業費を推計するとともに、19年度補正予算と20年度第3次補正予算の一部が出来高として実現すると想定した。地方単独事業費については地方財政白書を踏まえ1・6%増。政府建築補修(改装・改修)は20年度の減少から増加に転じ、21年度は2・3%増の1兆3400億円になると予測する。
 一方、21年度の民間建設投資は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続き、民間住宅投資が0・4%減の15兆0600億円と推測。ただ、貸家など三大都市圏で下げ止まりの兆しが見られることを踏まえ、前回推計から6000億円の上方修正。民間非住宅建設投資は2・2%減の16兆4600億円、民間建築補修投資は0・7%増の5兆5900億円とした。
 21年度の住宅着工戸数は、前年度比0・5%減の80万4000戸で、内訳は、持ち家が2・2%減の25万7000戸、貸家が2・1%減の29万6000戸、分譲住宅が4・1%増の24万5000戸になるとした。
 民間非住宅建設投資は2・2%減の16兆4600億円。手持ち工事高が約11兆円と蓄積しており、倉庫・流通施設が堅調で全体として徐々に回復の動きが見られるが、回復のスピードは緩やかになると予測。対して、民間土木投資がおおむね堅調に推移していたが、発電用投資の一服感と鉄道事業者の業績悪化の影響が懸念されるとした。
 全体としては、3回目の緊急事態宣言が最後になるかどうかで今後の見通しも大きく左右されそうだ。
 
提供:建通新聞社