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2021/06/10

「何らかのチェック必要」 2%賃上げ実現

 全国建設業協会(全建)の奥村太加典会長は、6月8日の定時総会後に会見し、国土強靱(きょうじん)化事業に伴う公共事業の円滑な施工に関して、入札の不調・不落を回避するための施工の平準化や適正な単価の設定について「受発注者が共通認識を形成していくことが重要」と述べた。また、技能者の賃金の21年度の目標である、おおむね2%の引き上げを実現するため、実際に支払われた賃金について「何らかの形でのチェックが必要」との認識を示した。
 技能者のおおむね2%の賃上げは、3月に国土交通省と建設業4団体が申し合わせたもの。奥村会長は「受注競争が厳しくなると、賃金へのしわ寄せが過去に繰り返されてきた。同じ道をたどるようなことがあってはならない」と強調。実際の賃金を「何らかの形でチェックすることが必要だと思う」と述べた。
 一方、公共事業の円滑な施工な施工に関して全建ではすでに、傘下の47都道府県建設業協会が、発注機関との意見交換を行っている。奥村会長は「受発注者間の認識に齟齬(そご)をきたさないようにしていくことが重要。繁忙期に発注されて不調になるようなことは避けなれればならない」とし、受発注者間の意見交換を継続していく方針を話した。
 公共事業の円滑な施工が課題である、21年度からスタートした『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策』については、22年度以降の予算の当初予算での計上や、5か年の計画の流れの明示を関係機関に働き掛けていく考えも示した。
 また、現場の週休2日の実現に関して奥村会長は、24年度から建設業にも適用される時間外労働の罰則付き上限規制をにらみ、「規制にはいやでも対応しなければならない。そのためには週休2日の達成が必要」と指摘、全建の『目指せ週休2日+360時間(2+360ツープラスサンロクマル)運動』に触れ、「打ち出した目標にソフトランディングしていかなければならない」と述べた。
 建設キャリアアップシステムの普及については、「今後の具体策について打ち合わせを始めた」と話した。対策の例として先進的な取り組みの情報共有を挙げるとともに、発注者の姿勢も課題とした。
提供:建通新聞社