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中央ニュース

2021/06/16

土地白書 相次ぐ災害が土地取引に影響

 2021年版の土地白書によると、不動産取引時に国民の約4割が「ハザードマップ等の災害に関する情報」を参考にしていることが分かった。そのうちの9割近くがハザードマップを参考にする理由として、「近年の災害発生状況が影響している」とも回答。相次ぐ自然災害が土地の取り引きや利用に影響を及ぼしている。
 白書の取りまとめに当たって国土交通省は、「土地問題に関する国民の意識調査」(20年度)を実施。不動産取引時にどのような情報を参考にしているかアンケート(複数回答可)したところ、回答者の41・5%が「ハザードマップ等の災害に関する情報」を挙げた。ここ数年増加傾向にあり、20年度は、19年度の調査と比べて6ポイント以上増加。「住宅の維持保全に関する情報」(31%)、「過去の取引履歴」(28・5%)を10ポイント以上上回った。
 また、「ハザードマップ等の災害に関する情報」を参考にしているとした回答者の89・7%が、その理由として「近年の災害の発生状況が影響している」と答えた。
 白書では、平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨による浸水被害や土砂災害を紹介。宅地建物取引業法施行規則の改正で、不動産取引時にハザードマップでの所在地の情報提供が義務付けられたことや、都市再生特別措置法改正に伴う災害ハザードエリアでの新規立地抑制など、防災・減災に対応した法改正や土地活用が進んでいる現状もまとめた。
 こうした現状を踏まえ、21年度は、浸水想定や土地の災害履歴などの災害リスク情報、不動産価格情報を地理空間上で活用できるようにするため、情報の整備・公開・活用を進める。3次元化による都市情報を可視化する「i―都市再生」の技術開発にも取り組む。
 この他、新型コロナウイルス感染症による不動産市場への影響も分析。全国の地価が6年ぶりに下落するとともに、三大都市圏でも下落に転じた。地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)では上昇を継続したが上昇率が縮小。不動産業界では非対面で物件を内見できるVR(仮想現実)の活用、飲食店舗では密を避けるための軒先活用(道路占用許可基準の緩和など)など、これまでの土地利用や商取引に変化の兆しが生じているともした。
 土地白書は6月15日に閣議決定された。

提供:建通新聞社