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中央ニュース

2021/07/06

熱海土石流 三島建協が復旧支援

 7月1日から続く大雨の影響により、3日午前10時半ごろ、静岡県熱海市伊豆山地区で大規模な土砂災害が発生した。48時間降水量としては7月の観測史上最多の雨量を記録。静岡県の発表(5日午前7時現在)では、逢初(あいぞめ)川の源頭部の標高約390b地点(海岸から約2`上流)から逢初川を流下した土石流が、延長約1`、最大幅約120bにわたって被害をもたらした。
 県と国土交通省中部地方整備局は、谷の最上流部に当たる源頭部などでの調査や応急復旧活動を進めている。静岡県土木事務所と災害協定を結んでいる静岡県建設業協会(石井源一会長)の三島建設業協会(小野徹会長)は、熱海土木事務所からの要請に対応。協会員の大舘建設(熱海市)が、国道135号のがれき撤去作業に出動し、24時間体制で作業を進めている。
 協会によると、「現時点(5日時点)では、がれきの中の行方不明者の捜索を警察などが行っているため、状況を注視している。今後、捜索、救助のめどが立ち次第、両サイドからの撤去を予定している」という。
 同社では連日、20〜30人の作業員が従事している。協会では、小野建設(三島市)などの会員各社も継続して協力体制をとる。この他、国土交通省沼津河川国道事務所の要請で照明車を現場に搬送し作業を行っている。また、沼津建設業協会(渡邉雄二会長)も沼津河川国道事務所の要請で現地に排水ポンプ車を送った。
 県は、熱海市を含む伊豆半島の3次元点群データを2019年度から取得し、オープンデータとしてすでに公開している。今回の土砂災害でも3次元データが活用されており、今後、地形改変後のデータを取得し、比較・精査することで、土量などを分析する。県交通基盤部の担当者は、「今後も東部、伊豆地域で災害が発生した場合に、災害復旧に3次元データを活用する」と話している。
 この他、県東部地区では1級河川黄瀬川に架かる県道富士清水線の沼津市と清水町をつなぐ黄瀬川大橋の西側部分が損傷。橋脚4基のうちの1基が損傷し、上部の橋桁がV字形に折れ曲がる被害も出た。

「TEC−FORCEら現地派遣」

 国土交通省中部地方整備局は7月3日、静岡県を中心とした大雨災害支援のため、TEC−FORCE(緊急災害対策派遣隊、隊長・栗木信之総合土砂管理官)を派遣。5日にはドローン調査班を追加で派遣し、現地調査などを進めている。
 第1陣は、5班17人を派遣。3日夜の出発式では、堀田治局長が天谷理建設専門官らを激励した。
 同局からは、梅雨前線に伴う大雨への対応として、総括班4人、ドローン調査班4人、建設機械班総括1人、砂防調査班2班8人の計17人と、照明車7台、排水ポンプ車3台、待機支援車1台、衛生通信車1台を熱海市へ派遣。5日には、ドローン調査班の交代要員として、4人を追加派遣している。

提供:建通新聞社