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中央ニュース

2021/07/15

建設生産・管理システムの将来像示す

 国土交通省は、インフラ整備・管理に関わるデータを活用する「建設生産・管理システム」の将来像を示した。当面(2〜3年後)は国土技術政策総合研究所に整備するDXデータセンターで直轄工事・業務などのデータを一元管理する=イメージ図。将来的に、それらの属性データを施設単位で地図上にひも付けし、各施設の構造形式や使用部材などを検索できるようにする。7月13日に行われた有識者による2021年度第1回発注者懇談会で提示。具体化に向けた議論を始めた。
 DXデータセンターは、インフラ施設や直轄工事のデータを一元的に管理する基盤インフラに位置付ける。地理院地図データや電子納品保管管理システムと連携し、設計業務・工事成果(BIM/CIMモデル、点群データなど)などを蓄積。一般にも公開し、業務の効率化、産学官連携によるイノベーションの創出を図る。
 現在、直轄工事の測量や設計、施工、点検、補修の成果品の多くは、国交省の各事務所にCD―Rなどの記録媒体で納品・保管されている。こうした各事務所に点在するデータをDXデータセンターで一元管理することで、成果品の加工、蓄積、参照、利活用を効率化する。
 例えば、発注者側でICT活用工事や総合評価方式の実績を集計する場合、現状では本省から整備局を経由した上で、そこから各事務所に依頼し、実績データの提出を求める必要がある。
 一元管理では、入札契約方式などのデータも集約するため、DXデータセンターに接続すれば直轄工事の契約方式ごとの実績なども容易に把握できるようになる。
 工事・業務の属性データを施設単位で地図上にひも付ける取り組みに向けては、本年度下半期に電子納品保管管理システムの既存データを利用し、試行的に一部実施する予定。構造物の施設単位で設計や工事などの各成果品を集約するとともに、構造形式や使われている部材名称などを検索できるようにする。
 発注者懇談会では、今後の建設生産・管理システムについて「データマネジメント」「発注制度」「技術の開発・導入」の三つの観点から在り方や取り組みの方向性をそれぞれ検討する。「データマネジメント」を皮切りに議論を始め、電子納品システムを通じたDXデータセンターへのデータ蓄積など、効果的にデータを生成、加工、活用、廃棄できる仕組みを探る。
 委員からは「点在している既存データをつなぐためのインターフェースの約束事(標準化)をしっかりつくることが肝になる」といった意見が出た。

提供:建通新聞社