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2021/09/21

パワーアシストスーツ現場実証 月内に公募

 国土交通省は、直轄工事でのパワーアシストスーツ(PAS)の導入に向け、建設9工種と点検・訓練作業でPAS技術の実証を行うことを決めた。9月中に技術の公募を開始し、10月に技術と実証現場を選定・マッチングする。実証現場は北海道開発局を含む各地方整備局の工事から最低1件以上(全20件程度)を選ぶ。検証期間は10月後半から2022年2月を想定。導入の効果を見極め、本年度中にガイドラインを策定し、早ければ22年度から直轄工事で使えるようにする。
 パワーアシストスーツ(PAS)は、ゴムやバネなどの伸縮力によるパッシブ系と、電動モーターなどによるアクティブ系の2種類がある。介護や物流などの現場ではすでに商品化されており、これを建設現場に導入し、人力土工や小運搬などに従事する作業員の負担を軽減する。
 現場実証では、建設施工での生産性向上効果と、早期導入に適する工種・作業を探る。現場作業員にPASを貸与し、2週間程度装着して作業してもらう。習熟度を上げてもらった後、未装着で作業する。その上でアンケート調査を実施し、現場適応性(使いやすさ)、生産性、安全性の評価を行う。
 身体的疲労度は主観評価と接触計測(センサーによる心拍数計測など)、外的観測・計測(休憩頻度、動作速度、ミス頻度などをチェック)で把握する。
 9工種は、▽かご工(詰石)▽鉄筋組工▽張芝工▽ブロック敷設▽プレキャストL形側溝据え付け▽コンクリートブロック設置▽法面石材敷設▽コンクリート打設▽地質調査・ボーリング―で、人力作業が必要で身体的な疲労度が高いものを中心に選定した。除草は施工時期が合わないため今回の実証対象から外した。
 点検・訓練作業は、排水ポンプの定期点検・設営訓練での実証を想定。9工種が平時を想定しているのに対して、災害復旧など非常時の活用を目指す。
 PAS技術の公募は、開発・製造メーカー、レンタル事業者、販売代理店などを対象に、一般に調達可能な技術を求める。その上で、苦渋作業での早期負担軽減効果などの視点から実証技術を絞り込む。
 昨年度の実証で使用した4技術についてはメーカーの意向を確認し、今回の実証技術に加えるとしている。
 1技術につき複数工種・複数現場での検証を予定している。
 ガイドラインには、現場実証の評価結果(建設施工で効果を発揮するユースケースなど)や、建設分野で活用できるPAS開発の参考となる要求項目を盛り込む。

提供:建通新聞社