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2021/10/09

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(1)関東甲信越

 全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)と国土交通省の2021年度の地域懇談会・ブロック会議が10月5日、関東甲信越地方を皮切りにスタートした=写真。1都9県の建設業協会が参加した同日のブロック会議で業界側は、「働き方改革の推進」「施工時期の平準化や適切な工期設定など品確法運用指針の地方自治体への浸透」をはじめ、「特定JVによる直轄工事への新規参入促進」「地方建設会社の収益向上の配慮」「建設業従事者のエッセンシャルワーカー認定」などを要望した。
 会議の冒頭、関東甲信越地方建設業協会の浅野正一会長(山梨県建設業協会会長)が、建設業の担い手確保の問題に関して、「将来に不安なく若者を受け入れられる経営環境の構築が求められている」と述べ、働き方改革や生産性向上などの課題解決に取り組んでいく必要を訴えた。
 また、国交省不動産・建設経済局の大澤一夫官房審議官が、多発する自然災害に対する地域の守り手としての建設業の重要性を強調。「将来にわたって持続的に活躍できるよう、安定的な公共事業予算の確保に全力を上げるとともに、新担い手3法に基づき課題解決に取り組む」と述べた。
 業界の要望のうち「特定JVによる直轄工事への新規参入促進」は、茨城県建設業協会が発表した。関東地方整備局の入札参加資格を持つ同県内の企業(一般土木B・Cランク)のうち、実際に直轄工事を受注しているのは2割程度にとどまると問題視。新規参入促進策として、「直轄工事の受注実績のある企業」と「新規参入を希望する企業」の特定JVの導入を要望した。
 「地方建設会社の収益向上の配慮」は山梨県建設業協会が発表。東日本建設業保証がまとめた建設業の財務統計指標に基づき、土木業者の81%を占める「年間売り上げ5億円以下」の業者の売上高営業利益率が低いことを指摘。理由として、予定価格を設定する標準歩掛の考え方や施工パッケージが、零細企業が施工する小規模工事に適合していないことが考えられるとし、調査と対策の検討を求めた。
[エッセンシャルワーカーの認定を]
 「建設業従事者のエッセンシャルワーカー認定」に関しては、群馬県建設業協会が、新型コロナワクチンの接種を巡る群馬県庁の対応を紹介した。優先接種の対象になるエッセンシャルワーカーに県が建設業従事者を加えたことで、同協会の会員と協力会社の計6800人の接種が8月22日までに完了した。災害対応を担う建設業の役割を踏まえ、取り組みが他県に広がるよう国交省に支援を求めた。
 「働き方改革の推進」については埼玉県建設業協会が発表。民間工事を含めた実態調査の実施や、現場の制約などを反映した積算基準の適正化、低入札価格調査基準価格の一般管理費の算定率の引き上げを求めた。
 このほか、要望事項として▽国土強靱(きょうじん)化対策予算の当初予算特別枠での増額確保と地域建設業の受注機会の確保▽地域版の公共事業中長期計画などの策定▽工事目的物の引き渡し前の不可抗力による損害に対する受注者負担率のゼロ化▽小規模工事でのICT施工の改善など生産性向上▽固定費の積算など、安定的・持続的な道路除雪体制の確保▽災害時の応急活動での、公的補償制度の創設など安全確保の強化―が発表された。
 地域懇談会・ブロック会議は10月29日までの日程で、全国9ブロックで開く。