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2022/01/12

経験の浅い一人親方 雇用関係へ誘導

 国土交通省は、『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』を改訂し、一人親方に対する、元請け企業と下請け企業の役割と責任をより明確にする。新たなガイドラインでは一人親方の基本的な姿を示すとともに、経験の浅い一人親方を雇用関係に誘導する方針などを盛り込む。2022年4月の改訂を目指し、検討を進めている。
 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインは、社会保険の加入について、元請け・下請け企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にするため、12年に策定した。その後、実効性を高めるため、建設業の一人親方問題に関する検討会を立ち上げ、21年3月に中間とりまとめとして、一人親方の適正・不適正の線引きの目安を固めている。
 新たなガイドラインでは、中間とりまとめを踏まえた一人親方の基本的な姿を示すとともに、一人親方に対して、元請けと下請け企業がとるべき対応をより具体的に提示する。
 一人親方の基本的な姿は、「請け負った仕事に対し、自らの技能と責任で完成させることができる現場作業に従事する個人事業主」。専門工事の技術や安全衛生の知識を習得し、職長クラス(建設キャリアアップシステムのレベル3相当)の能力を有すると定義した。
 元請け企業には、下請け企業が一人親方に再下請負をしている場合、その一人親方に対して「働き方自己診断チェックリスト」の活用を促し、働き方の確認を行うことを求める。
 さらに10代や経験年数3年未満の一人親方については、処遇改善や技能向上の観点から、雇用関係へ誘導していく方針とし、請負契約を締結している企業に対して労働契約の締結、社会保険の加入、法定福利費の確保を促すこととする。
 国交省ではガイドラインの改訂に先立ち、適正な一人親方の目安や働き方改革の自己診断チェックリストなどを記載したリーフレット「みんなで目指すクリーンな請負・クリーンな雇用の建設業界」も作成。建設業界団体に対して各会員企業に配布・周知するよう呼び掛けている。

提供:建通新聞社