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2022/02/02

工期変更「交渉したことない」が4割

 国土交通省の調査で、下請け契約の受注者側に責任のない理由の工期変更が発生した際、工期の変更交渉を行ったことが「ない」と答えた下請けが全体の38・0%に上った。変更交渉を行った結果、変更が認められたとの回答が89・2%ある一方、工期変更が認められずに「突貫工事」や「体制の増強」によって工期内に完成させたとの回答もあった。
 適正な工期設定は、2020年10月に施行された改正建設業法の柱の一つ。改正法では「著しく短い工期」での契約を禁止し、中央建設業審議会の「工期に関する基準」に沿った適正な工期を設定することを求めている。
 この基準では、当初契約時の工期で施工できない場合、工期延長を含め、契約条件の変更を受発注者で協議・合意するよう求めているが、調査結果では全体の4割の下請けが変更交渉を行っていない実態が分かった。一方、交渉した下請けの89・2%は、工期変更が認められたと回答している。
 工期変更が認められなかった場合、突貫工事で工期内に完了させたとの回答は47・8%、体制の増強で工期内に完成させたとの回答も71・9%あった。
 ただ、工期変更を認めていない理由として「あらかじめ決められた供用時期を変更できないため」と回答した元請けは67・5%と最多で、工期変更をめぐる発注者側の課題も明らかになっている。
 国交省は、昨年10〜12月の「建設業取引適正化推進期間」で、完成工事高上位の大臣許可業者の本店・支店に対するモニタリング調査を実施し、この中で工期の設定状況も確認した。昨年12月、政府全体で1〜3月を「転嫁対策に向けた集中取組期間」と位置付けたことを受け、このモニタリング調査も3月末まで継続することを決めている。

提供:建通新聞社