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2022/03/14

プレキャスト適用拡大へ 定量的指標で比較

 国土交通省は、プレキャストコンクリート製品のさらなる適用拡大に向けて、2022年度に定量的な評価指標を使った新たな比較検討を行う。検討結果を踏まえ、プレキャストコンクリート製品の評価手法を確立する。直轄業務での試行を経て、25年度までに制度を確立する。
 プレキャスト製品の適用拡大に向けて国交省では、VfM(Value for Money)の考え方を取り入れた比較検討への転換を進めている。これまで、プレキャスト製品の採用に当たっては、コスト比較を中心に比較検討し、最も安くなる形式、工法を選定してきたが、安全性や施工期間などコスト以外の観点を考慮したVfMによる比較検討に転換する。
 具体的には、コンクリート構造物の設計で、コスト以外の要素(工期、品質管理、施工性など)を評価できるようにし、同製品を採用しやすいようにする。
 このため国交省では21年度に、高さ5bのL型擁壁と中型・大型ボックスカルバートを対象に、定量的指標を用いた新たな評価方法案により、施工時に必要な現場作業員数を試算し、現場打ちと比較した。その結果、L型擁壁と大型ボックスカルバート(4・5×4・0b)で最大8分の1程度、中型ボックスカルバート(3・0×2・0b)で4分の1程度の現場作業員を削減できることが分かった。
 22年度はこの新たな評価方法案を直轄の設計業務に用い、さらに妥当性などの検証を深める。対象となる直轄の設計業務は、21年度に地方整備局でプレキャスト製品を採用した設計業務7件(全てボックスカルバート)の中から5件程度を選定する。
 プレキャスト製品の適用拡大ではこの他、民間審査制度の導入も検討する。22年度に審査制度案を検討、23年度に試行、24年度の導入を目指すとしている。
 プレキャスト製品については、L型擁壁工、ボックスカルバート工ともに小型の使用率が直轄工事(20年度発注)でほぼ100%に達する一方、L型擁壁工では高さ3・5b超、ボックスカルバート工では中・大型構造物への導入促進が課題になっている。

提供:建通新聞社