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中央ニュース

2022/06/29

機械、作業の規制検討 一人親方を保護

厚生労働省は6月28日、一人親方などの個人事業者への安全衛生対策について、今後検討していく論点をまとめた。危険を伴う「機械設備」や「作業」など、労働安全衛生法により、雇われている労働者への保護措置が設けられている内容について、一人親方でも安全確保のための規制を検討するとした。一人親方の過重労働やメンタルヘルス対策も検討テーマに据えた。
 建設アスベスト訴訟の最高裁判決を受けて、石綿含有建材の除去作業など「危険有害な作業」については、既に厚労省が雇われて働く労働者と同様の保護規定を一人親方にも設けている。現在実施している検討会では、その他の作業、危険から一人親方を守る方策を議論している。
 厚労省は、機械設備や爆発物、墜落の恐れのある場所など、労働者に作業させる事業者が安全対策を講じる義務を負っている安衛法の規定を列挙。こうした危険な作業を請け負わせる場合、元請けや上位下請けが一人親方に講じる安全対策を検討する必要があるとした。
 また、一人親方は元請けなどの指揮命令下にないため、危険の「掲示」や「周知」の形を取らざるを得ないことを説明。実効性の確保を課題に挙げた。
 一人親方自身や、発注者が講じるべき対策も論点とした。一人親方に対する支援の在り方も検討事項となる。
 建設業の一人親方をはじめ、個人事業者の多くが健康診断やメンタルチェックを受けていない現状を解説。過重労働やメンタルヘルス対策も論点に位置付けた。
 21年に建設業の一人親方が被災した死亡災害事例も分析。一人親方は労働者と比べて建築工事での事故割合が高いとした。また、災害の型別では、墜落・転落が7割近くと大半を占めた。年齢は50代以上が多く、中には80代の死亡災害事例もあった。
 厚労省は今後、建設業団体へのヒアリングを行い、一人親方の災害の実態をさらに詳しく調べて対策を練る。

提供:建通新聞社