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中央ニュース

2022/07/22

完成工事総利益率が9・9%に低下

 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は、会員企業の2021年度の決算状況をまとめた。売上高は前年度比0・6%増の15兆7710億円、完成工事高は0・4%減の14兆8590億円と、いずれも前年度と比べほぼ横ばいだったが、粗利益である完成工事総利益が16・4%減の1兆4780億円に減少した。完成工事総利益率は前年度より1・9ポイント減って9・9%に低下し、7年ぶりに10%を割り込んだ。21年度決算では資材価格高騰の影響を受けていないため、工事の採算の悪化が今後さらに進む懸念が高まっている。
 法人会員141社のうち108社が回答した。
 前年度と比べた売上高の推移では、増収は39社で、減収が69社を占めた。
 各社の完成工事総利益率の分布では「16%以上」の13社を含め60社が「10%以上」で、「8%〜10%未満」が30社、「8%未満」が18社だった。回答社の単純平均は11・1%となり、前年度より0・1ポイントアップした。
 営業利益は28・8%減の7340億円で、4年連続の減少となった。売上高営業利益率も4年連続して低下し、前年度と比べ1・9ポイント低い4・7%になった。回答社の売上高営業利益率の単純平均は5・3%で、0・2ポイント低下した。
 経常利益は24・9%減の8430億円。売上高経常利益率は5・3%で、前年度より1・9ポイント低下した。回答社の売上高経常利益率の単純平均は5・8%。0・2ポイント低下した。
 当期純利益の総額は24・0%減の6100億円。売上高当期純利益率は3・9%で、前年度と比べ1・2ポイント低下した。回答社の単純平均は0・2ポイント低下し4・0%になった。
 この他の経営指標では、自己資本比率が前年度と同じ45・5%、対売上高有利子負債比率が0・4ポイント上昇して15・1%になった。
 7月20日の会見で宮本会長は、完成工事総利益率の低下など採算悪化の要因について、「全体的に仕事量が以前より落ち着いてきた中で、受注競争が激化し、厳しいコストで受注していることがある」と指摘。そして「現在の資材価格の高騰によって、次年度決算調査で利益率がさらに悪くなることを恐れている」と話し、適正な価格転嫁について発注者に理解を求めていくことの重要性を強調した。

提供:建通新聞社