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2022/09/29

適正工期が7割台に減少 全建アンケート

 全国建設業協会が、品確法の運用指針の運用状況について会員企業に行った2022年度のアンケート調査によると、国土交通省と都道府県、市区町村の工期設定について、「適正」および「概ね適正」とする回答が前年度と比べ3者ともポイントを下げた。前年度はいずれも8割を上回ったが、22年度は7割台になった。また、書類の簡素化は、「進んでいる」という回答が市区町村で1割を下回ったほか、都道府県でも2割を切り、地方自治体での改善の遅れが目立った。
 同アンケート調査は毎年行っているもの。7月〜8月上旬、47都道府県建設業協会を通じて1341社が回答した。
 工期に関しては、「適正」および「概ね適正」が、国交省は前年度と比べ9・7ポイント減って79・3%、都道府県は11・7ポイント減って78・7%、市区町村は13・2ポイント減って74・1%だった。
 書類の簡素化が「進んでいる」という回答は、国土交通省は41・8%、都道府県は18・7%、市区町村は6・9%だった。前年度と比べ国土交通省は0・3ポイント低下した。都道府県は3・1ポイント、市区町村は1・3ポイント改善したが、「進んでいる」割合は低水準にとどまっている。
 発注者・施工者・設計者の3者会議について、「(ほぼ)活用されている」という回答は、国交省が71・1%に上るのに対して、都道府県は30・8%、市区町村は20・3%にとどまった。前年度と比べ国交省は1・2ポイント、都道府県は0・7ポイント、市区町村は1・5ポイントアップした。
 ワンデーレスポンスの活用については、「(ほぼ)行われている」という回答は国交省が59・0%、都道府県が31・7%、市区町村が19・1%で、前年とほぼ同水準だった。
 設計変更審査会などの開催は、国交省が74・8%であるのに対して、都道府県は29・7%、市区町村は22・4%。国交省は2・5ポイント、都道府県は4・3ポイント、市区町村は4・2ポイント増加した。
 必要な変更契約が「(ほぼ)行われている」のは、国交省が93・0%、都道府県が73・9%、市区町村が53・7%。いずれもわずかずつ増加した。
 直近1年間に参加した入札で不調・不落があったと回答した企業は、前年とほぼ同水準の45・0%。要因として、国交省と都道府県では「厳しい施工条件」、市区町村では「官積算とのかい離」が多かった。
 また、不調・不落があったケースで、予定価格の適正な見直しや随意契約の活用があったのは、国交省で前年度より7・4ポイント高い63・3%、都道府県で0・2ポイント高い41・5%、市区町村で3・2ポイント低い29・8%だった。

[受注状況が悪化]
 全建は、今回のアンケートで受注の状況なども聞いた。受注について「良い」および「良くなってきた」は17・1%で、前年度より5・7ポイント低下した。一方、「悪くなってきた」と「悪い」は13・2ポイント増えて44・7%になった。「悪くなってきた」と「悪い」は北海道・東北と北陸で5割を超えた。
 受注悪化の主な要因(複数回答)は、受注量の減少が83・1%、競争の激化が64・1%、技術者の不足が52・4%。受注量の減少は前年度と同水準だが、競争の激化が4・8ポイント増加、技術者の不足が6・3ポイント低下した。
 利益の状況について「良い」および「良くなってきた」は22・6%で、前年度より7・3ポイントダウンした。一方、「悪くなってきた」および「悪い」は12・6ポイント増えて39・8%になった。「悪くなってきた」と「悪い」は北海道・東北と北陸で5割を超えた。
 利益悪化の主な要因(複数回答)は、工事原価の上昇が73・6%と最も多く、受注の減少が72・6%、競争の激化が54・2%で次いだ。前年度は受注の減少が最も多かったが、資材価格の高騰によって工事原価の上昇と逆転した。

提供:建通新聞社