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2022/11/17

全国中小建設業協会・ブロック別意見交換会(3)関東・東京

 全国中小建設業協会(全中建、土志田領司会長)は11月15日、関東ブロック(東京地区)での国土交通省との意見交換会を開いた=写真。週休2日の導入や長時間労働削減などの働き方改革、女性や若者の建設業への入職促進、スライド条項の運用など資材価格高騰対策などについて意見を交わした。
 全中建側の参加者は、東京都中小建設業協会(都中建)の渡邊裕之会長と、全中建多摩の若林克典会長、町田市建設業協会(町建協)の佐々木信幸副会長ら21人。国交省からは不動産・建設経済局建設業課入札制度企画指導室の青木建吾課長補佐や、関東地方整備局企画部の後閑浩幸技術管理課長ら4人が参加した。
 意見交換会の冒頭、あいさつに立った土志田会長は、業界での賃上げへの取り組みなどを述べるとともに、設計変更に関する国の通知に対応していない地方自治体の存在を問題視。「安定経営を営んでいる中小建設業はごくわずか。適正な利潤の確保があって、従業員の処遇改善ができる」と強調し、入札制度などの改正について、地方公共団体への国交省の指導の徹底を要望した。
 また、渡邊会長は「資材価格が高騰する中、厳しい民間工事から公共事業に向かう会社もある」と、ダンピングの横行を危惧した。若林会長は「国交省が変えなければ建設業界は変わらない」と述べ、対応を求めた。佐々木副会長は「災害対応など、建設業が責務を果たしていくためには、持続可能な業界にする必要がある」と訴えた。
 都中建と全中建多摩は、働き方改革に関して、常設作業帯が設置できない路上での工事について、「標準作業時間を8時間とした発注が長時間労働を助長している」と指摘。作業前後の労働時間を加えた標準作業時間への変更を求めた。
 さらに、週休2日の導入に関する経費の補正係数の見直しや、補正適用への市区町村への指導をはじめ、スライド条項の自治体での活用や適用条件の緩和などを求めた。
 国交省側は、路上工事の標準作業時間に関して、本省で対応を検討していることを明らかにした。また、自治体工事への週休2日の導入と経費の補正について、好事例の見える化などを進める考えを示した。
 スライド条項については、単品スライドとインフレスライドの併用が可能であることなど、ルールと運用を改めて地方自治体に伝えていく方針を述べた。一方、条項の適用条件の緩和については、物価下落時の減額スライドも視野に、慎重に検討する必要があると話した。
 町建協は、人材確保に向けて、女性が働きやすい就労環境づくりや、子どもや小中学生向けの建設業の職業体験施設の整備などを提案した。さらに、提出書類の簡素化などによる時間外労働の削減や現場管理費の引き上げ、最低制限価格の予定価格の95%以上への引き上げなど、入札制度の改善を要望した。
 国交省側は、女性が働きやすい環境整備や、子どもや若者への建設業の魅力の発信について、関係機関への支援などを推進する考えを述べた。また、書類のペーパーレス化をより一層推進する方針や、国交省が実施している実態調査の結果を現場管理費に適切に反映していく考えを示した。