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2023/05/18

調査価格の算定水準 18団体で古いモデル

 国土交通省は、調査基準価格と最低制限価格の算定水準が不明確な市区町村のうち、人口10万人以上の73団体の算定水準を調べたところ、18団体が中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)の2016年モデル以前の水準にあることが分かった。今後、回答がなかった9団体も含めて全27団体に個別ヒアリングを実施し、改善を促していく。個別ヒアリングは5月下旬〜6月に行う。
 国交省では、ダンピング対策として、最新の中央公契連モデル相当以上の基準で、調査基準価格と最低制限価格を設定するよう自治体に要請してきた。ただ、22年度に実施した調査(入札契約適正化法に基づく調査)では、算定式が非公表だったり、独自基準を採用していたりし、算定水準が不明確な団体が少なくなかった。
 そこで算定水準が不明確だった団体のうち、人口10万人以上の73団体を絞り込み追加調査を実施。ブラックボックス化されている団体の算定水準がいつの中央公契連モデルに相当するのかを探った。
 73団体の内訳は、「算定式非公表」とした団体が調査基準価格で18団体、最低制限価格で20団体、「独自基準等採用」とした団体が調査基準価格で33団体、最低制限価格で43団体あった(重複あり)。このうち算定水準が16年モデル以前だった団体は、いずれも全体の約3割を占めた=グラフ参照。
 追加調査に際して国交省は独自に、自治体発注工事の工事費の構成比(直接工事費、共通仮設費などの平均的な割合)を割り出し、中央公契連モデルの算定率に当てはめ、モデルごとの予定価格に対する調査基準価格(最低制限価格)の割合を導いた。これに自治体での仮算定の結果を照らし合わせ、その自治体の算定水準がいつのモデルに相当するかを見極めた。
 例えば、国交省が独自に割り出した割合では、自治体の発注工事で最新の22年モデルを採用した場合、予定価格に対する調査基準価格の割合は約89%以上となる。自治体には予定価格を1億円として調査基準価格の仮算定を依頼。算定結果が8900万円以上であれば、予定価格に対する調査基準価格の割合が89%以上となるため、その自治体の算定水準を「22年モデル相当」と判断した。
 国交省では、改善の必要がある当面の目安として、算定結果が86%程度未満(16年モデル以前の水準)で団体を線引きし、73団体中18団体が該当した。

提供:建通新聞社