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2023/07/26

26組合でベア 総合評価と物価上昇が追い風

 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、角信也議長)は、2023年の賃金交渉の中間結果を発表した。月例賃金については、加盟する35組合のうち、7月19日の時点で30組合が妥結。このうち基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を獲得した組合は26組合に上り、7組合では要求を上回る水準の回答を得た。日建協では、「22年度から施行された賃上げ実施企業に対する総合評価落札方式での加点措置に加え、23年度は、政府主導による賃上げ機運や物価上昇が追い風になった」とみている。
 月例賃金は、定期昇給を含め、妥結した30組合全てが前年実績以上の水準を確保した。ベアを獲得した26組合のうち7組合は要求を上回る水準だったが、12組合は要求を下回った。
 ベースアップの単純平均は前年比2・05%増の7838円(35歳平均、以下同)、加重平均は1・58%増の6843円。定期昇給とベアを合わせた30組合の昇給額は、単純平均2万0122円(前年比5・45%増)、加重平均2万0371円(4・80%増)。いずれの上げ幅も前年を大幅に上回った。
 一時金は29組合が妥結。前年と比べ17組合が増額、5組合が同額、7組合が減額だった。単純平均で4・95カ月、加重平均で5・03カ月となっている。
 初任給は22組合で引き上げられた。このうち19組合は会社提示による引き上げだった。要求したのは3組合で、いずれも引き上げられた。また、前年度の初任給の額は、日建協の標準ラインの24万円台が最も多かったが、23年度は25万円台が最も多く、「人材獲得の動きが如実に表れた」(日建協)。
 今回の交渉結果について日建協は「前年度に引き続き、企業業績よりも、政策や社会情勢によって賃上げの大きな流れがつくられた結果」と分析。今後について「国の政策や運用を注視するとともに、足元の物価高に対応する必要がある」としている。
 また、「あるべき賃金水準」を示す『日建協個別賃金』を、急激な物価上昇などを反映して24年度に改定する予定。年内に組合員の家計調査を実施するなど準備を進める。

提供:建通新聞社